月の影 影の海 / 小野不由美

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講談社X文庫 ホワイトハート(上・1992年6月20日 下・1992年7月20日)
ホワイトハートは、講談社が1991年に創刊したライトノベル系文庫レーベルです。
ホワイトハート版のイラストは山田章博が担当、その挿絵はホワイトハート版のみ掲載されています。
作者の小野不由美は田中芳樹の「銀河英雄伝説」のファン。銀英伝9巻のあとがきで、「死なないラインハルト」がこの世界観に繋がっていると語っています。

「お捜し申し上げました」──女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨(さまよ)う陽子は、出会う者に裏切られ、異形(いぎょう)の獣には襲われる。なぜ異邦(ここ)へ来たのか、戦わねばならないのか。怒濤(どとう)のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸(ほとばし)る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。
「わたしは、必ず、生きて帰る」──流れ着いた巧国(こうこく)で、容赦なく襲い来る妖魔を相手に、戦い続ける陽子。度重なる裏切りで傷ついた心を救ったのは、〈半獣〉楽俊(らくしゅん)との出会いだった。陽子が故国へ戻る手掛かりを求めて、雁国(えんこく)の王を訪ねた二人に、過酷な運命を担う真相が明かされる。全ては、途轍(とてつ)もない「決断」への幕開けに過ぎなかった!

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