コラム-8 「さすらいのギター」の原曲
初版 2023/12/15 04:21
ザ・サウンズの「さすらいのギター」
初めてこの曲を聞いたのは、このサウンズ盤だった。1963年10月新譜なので、さすがに
リアルタイムでは聞いていないが、1960年代には既に知っていたと思う。
このレコードでは、特に原曲については触れられていない。
「なんで満州なんだろう」というのが不思議だったし、戦後生まれの人間には
「赤い夕陽の満州」と言われてもピンと来るものはなく、「♪ここはお国を何百里〜」の後に
それらしい歌詞があったか、と思う程度だった。
満州の丘に(立ちて)
恥ずかしながら、本当の原曲を知ったのは21世紀に入ってからだった。
作者はイリア・アレクセエヴィッチ・シャトロフというロシア人で、作られたのは1906年。
現題は「Мокшанский полк на сопках Маньчжурии」
英題は「On The Hills of Manchuria」
邦題は「満州の丘に(立ちて)」
1906年ということは、日露戦争が終わって間もない頃、その日露戦争で満州が戦場となった
ことを思い起こせば、「なんで満州?」というのも納得できる。
シャトロフ氏自身が軍楽隊員としてこの戦争にかり出されており、戦死した友人を偲んで作られたのが
この曲だったということ。(この辺りは、ウィキによる情報)
原曲は4拍子ではなく、3拍子のワルツ。
吹奏楽用に書かれたようなので、このような演奏がオリジナル、もしくはそれに近いのではないか
と思う。「さすらいのギター」には使われていないメロディーもある。
https://www.youtube.com/watch?v=bBSB08vmg30
サウンズ盤がこちら。これがバンドのメンバーによるアレンジなのだとしたら、なかなかの才能
だと思う。他でも書いたが、Bメロのベースは注目すべき。
リード・ギターの音色の決め手はリヴァーブとディレイだが、ディジタル・ディレイなど
当然ない時代なので、テープ・エコーだろう。エフェクターなどなくても、スリー・ヘッドの
テープ・デッキがあれば、再生ヘッドの出力を録音ヘッドに再び流すことによって、我々でも
作ることはできた。
https://www.youtube.com/watch?v=Wp0zF3nE-ps
ベンチャーズ盤は、よりダイナミックな仕上がりになっている。ドラムスが安定すると、バンド全体の
サウンドがぐっと引き締まったものになる。
小山ルミのバージョンもこのアレンジを下敷きにしているようだ。
https://www.youtube.com/watch?v=am2eFlYp6BE
小山ルミのバージョン。原作者は、こんな歌詞を付けて歌われるとはも思いもしなかっただろう。
びっくりしただろう。
chirolin_band
国内盤アナログ・レコード(1950年代〜1960年代〜1970年頃)のデータ・ベース(リスト)を作成しています。
(国内盤レコードDB)
ジャンルはオール・ジャンルで、フォーマットはExcel ファイル(xlsx)です。
現在仮開示しているのは、
日本グラモフォン
東芝
日蓄工業
日本ウエストミンスター
日本ディスク(1950年代)
日本マーキュリー(1950年代)
ユニバーサル・レコード(1950年代)
日本コロムビア
キング・レコード
です。
2024.07.08 テイチク・レコードを追加しました。
今後、随時追加していく予定ですが、時間はかかります。
ダウンロードして自由に使って頂いて結構ですが、同時に開示している説明ファイル(ワード文書 or リッチ・テキスト)を
よくお読みになってください。また、現段階ではあくまでも仮開示であり、完成形ではないことにもご留意ください。
https://1drv.ms/u/s!ApINowI3ybkacrP3M_GV7wSe6j0?e=67lDy2
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