思い出の車たち(21)
MAZDA 323 (Familia) https://muuseo.com/akio_kitano/items/609 北野晶夫 けいしん同期の谷口くんのファミリア このところの大雪のニュースを聞いてふっと思い出した。そういえばこの車が抜けていた。歳を取ると物忘れが激しくなる。書こう書こうと思っていながら忘れてしまったらしい。 あの頃スキーがすごく流行っていて、谷口君がどうしてもスキーに連れて行ってくれというので、行ったことのない、かぐらみつまたスキー場へ行くことにした。谷口君は一人息子のお坊ちゃんだが、ルックスは自分と同じ秀才メガネタイプで決して女の子にもてるタイプではない。スキー場に行けば簡単にナンパできるなどという甘い下心を持っていたのだろうが世の中そんなに甘くない!! 雪道走行を楽しみにしていたのに行きは全く雪がなく拍子抜けした。スキー場につき谷口君にスキーのレクチャーをしたが、自分が最初に向田君や割田君にやられた通り、簡単なスキーの履き方、歩き方、斜面の上り方だけ教えて後は放置した。(最初、自分は斜面を登ることができずリフトに乗れずに半日斜面を登る練習に費やした。また、止まれず駐車場まで突っ込んだり、自動販売機の取り出し口にスキーの先が刺さったりしたことがある。)そしてスキーで歩け、斜面を登れるようになったら、自分がされた通り、一番上まで連れて行ってボーゲンを教え、また放置した。(自分は苗場の筍山に放置され、帰り道が分らずリーゼンコースで係員に保護され、さんざん怒られたあげくリフトでおりた経験がある。)谷口君は自分より運動神経がよかったらしく、何とか自力で降りてきた。二日目も一番上から下山コースまで無理やり滑らせた。今となっては笑い話だが、あの当時の教え方は本当にひどかったな~。 三日目の朝、谷口君が車が無いと騒いでいる。たしかに止めた場所に見当たらない。下に降りてみたら真っ赤なファミリアがすっぽりと雪に埋まっている。さすが豪雪で知られるかぐらみつまた、一晩で車が雪に埋まるほど降ったらしい。二人で掘り出すのに小一時間かかった。ファミリアは雪道でもとても安定していてつまらなかったのを覚えている。