My Best №13
SIMCA 1000 RALLYE 3 SIMCA 1000 RALLYE 3 https://muuseo.com/akio_kitano/items/281 北野晶夫 CAR GRAPHIC 1978年12月号 ROAD IMPRESSIONS より ルート・ナシォナルには珍しいタイトベントの連続にミシュランをきしませながら, フランス中東部山岳地帯をスイスに向かう我がルノー30. 爽やかなヨーロッパの夏の日射しが照り付けるアスファルト道路は交通量がひどく少なく, 小さな田舎街を通過してからもう5分ほど走っているが, それ以来まだ対向車には1台も出くわしていない. と, 突如として数十メーター先のコーナーの陰から, 2台の車が狂ったような勢いで飛び出してきた. 先頭はメタリック・ブルーのアルピーヌ・ベルリネット, その低いテールにノーズを接するばかりに追い回していた2台目の車こそ, アルピーヌとは似ても似つかぬ背の高い白い箱, シムカ・ラリー2であった. 75年7月のこと, これがラリー・シムカとの記憶に残る最初の出逢いだった. 見る間に対向車線をかすめ去った2台の地元 ”街道レーサー” は, やがてけたたましい排気音を残して次のコーナーに消えて行ったのだが, ルノーのリアビュー・ミラーに一瞬写し出された後輪のネガティブ・キャンバーが, 何故か強烈に印象に残っている・・・・.