不可能カード,その後

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右側のが前回,UPした不可能カード。
不可能物体の大御所,ゲリー・フォシェ氏に会う機会があったので,見せてみた。

実は,このカードの元になるものを彼は,それまでに作っていた。
ただし,彼のは真鍮製。つまりは,いろいろ細工の余地有り。

私のは紙製。ある意味,ゴマかしがきかない。
Quarkにも書いたが,「2枚にも切り離されていないし,紙の厚みはどこも同じである。」書いてあることにウソはない。
このコラムが載ったのは4月号。
4月号はエイプリルフールにかけて,コラムではウソを入れ込んであったが,これについてはウソがない。
和尚姿の私の写真がウソだというオチ。

横道。ゲリーは私の作った物を見て,誉めてくれた。
「よくできている。でも,向きが違っている。」
と言ってきた。
その時は,切る方向で向きぐらいなんとでもなると聞き流していた。
「美しくできている。しかし,私のつくったものとは切り込みの向きが違っている。」
いつになく,彼は,向きにこだわっていた。

その時は,私もそれぐらいと思って,後日,ゲリーの言う向きで作ろうとして,腰を抜かした。
(なんとかゴマかしてつくつた現物は,誰かにあげて手元にない。)画像の左側がそれだが,これは,画像を撮るために形だけ見えるようにしたもの。

ゲリーの言う向きではゴマかしがきかない。
このとき,初めて彼のこだわりがわかった。
でも,あのとき,そこまで見抜いていたのか?
おそるべし,ゲリー・フォシェ。

画像の左右のカード,少しだけ切り込みの位置が違っています。
それだけのことなのですが・・・・・

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