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秋田県大仙市協和荒川 荒川鉱山 シャモサイト入り紫水晶「三色水晶」
『ミネラ』77号掲載 2010年代に発見された、荒川鉱山の新種の水晶です。紫水晶は確認されていたものの、緑色の鉱物が内包されている水晶との組み合わせはそれまではありませんでした。 この緑色の内包物は、緑泥石の一種である「シャモサイト」という鉱物です。シャモサイトは海外の鉱物に内包または共生が見られていましたが、国内で水晶に内包するものは珍しい事例でした。 独特の白いカテドラル(この場合はアーティチョーク型か)クォーツが緑に色付き、根元、母岩は紫水晶という、三色に彩られた標本。見ようによっては「白菜」にも見えるでしょうか。小さい結晶も生えていますが、太い結晶とは違う方向に成長している点が面白いです。 ヤフオクにて破格での入手。
4000円 ヤフオク水晶好きな松ちゃん
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鹿児島県指宿市池田 大谷鉱山 赤水晶
あまり国産では多くない、赤く彩られた水晶です。赤みの要因は恐らく鉄分でしょうか。 水晶の根元部分は、かなり薄めながらも紫水晶に見えます。栃木の赤水晶も、紫水晶部分があります。もとより、紫水晶は鉄イオンの欠陥による発色ですから、関連しています。 串木野鉱山と同じく、こちらも金鉱山。水晶の下にある母岩には金が含まれているかもしれませんね。無論肉眼では確認できず。
1000円 ヤフオク 2022.9.21水晶好きな松ちゃん
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鹿児島県南さつま市坊津町泊茅野 薩南採石? 奇面を伴う?方解石蝕像水晶
『ミネラ』79号掲載 正直なところ産地が不明。枕崎市の茅野かもしれませんが、採石場のある坊津町である、としておきます。 地味目な水晶ですが、蝕像跡があり、その要因であろう方解石が一部溶け残っています。また、隙間にはカクタス気味の水晶が生えていた痕跡(折れて断面が見られる)も見られます。 ただ、ラベルにあります「奇面を伴う」というのがよく分からず。
500円 ヤフオク 2021.9.11水晶好きな松ちゃん
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鹿児島県いちき串木野市三井 串木野鉱山 紫水晶
『ミネラ』79号掲載 ヤフオクにて落札。 こちらは入札時、青瑪瑙上に成長した紫水晶、と説明されていました。見る限りだと青でもなく瑪瑙でもなく、チャート?に生えているような見た目です。 色合いは落ち着いた紫色。母岩の薄抹茶色と合わせて、ミネラ79号掲載時には、この色合いを「あじさい」と表現してみました。同産地からは、より濃いラベンダー色の紫水晶の群晶もある様子。 本産地は元々金山として栄えた場所で、金鉱石採掘の際に邪魔な紫水晶は取り除かれていたようです。これは他の金山でも同様ですね。 なんでも、90年代頃には鉱物愛好家にズリ山から拾われていたそうですが、今ではあまり取れないのでしょうか、「幻の紫水晶」だなんて肩書きがつくものが見られます。 2024.9.29 再撮影
1200円 ヤフオク 2022.3.16水晶好きな松ちゃん
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鳥取県八頭郡智頭町八河谷(やこうだに)金足鉱山
鉄分の影響からか黄色く、照り、ツヤともに素晴らしい水晶たちです。雲母が付いているミニクラスターは、どことなく乙女鉱山の水晶を思い出してしまいます。 ここの鉱山についての情報はほぼなし。閃亜鉛鉱を採取していた鉱山とのことですが、これらの水晶にはそれらしき内包などは見られません。
630円 ヤフオク 2020.12.27水晶好きな松ちゃん
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北海道瀬棚郡今金町太黒鉱山 瑪瑙上の水晶
白い標本。 白い玉髄の上に微細な透明感のある水晶が生えています。縞があるので瑪瑙と言っても差し支えないかな? 2022年に入り、北海道の水晶を大量に入手できておりますが、やはりこの様な微細なクラスターが多い印象です。単結晶は少ないですね。 そんな中でもこちらは白さで言えば異彩を放っています。
ヤフオク 2022.7.27水晶好きな松ちゃん
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埼玉県秩父市中津川 秩父鉱山 橋掛沢 硫砒鉄鉱入り・エステレル式双晶?付き水晶クラスター
撮影に困難を要した標本。 硫砒鉄鉱が内包された水晶、というので既に秩父鉱山ではレアに思えますが…ルーペを使うことで更なる特徴を発見しました。 分かりにくいのですが、エステレル式双晶と思われる箇所が3箇所あります。 …まぁ〇〇式双晶には疎いので、違う名称とは思います。とはいえ双晶であることは間違いないでしょう。 虹まではっきり見えて、いい意味で秩父鉱山らしくない面白い標本です。
1000円 ヤフオク 2022.7.28水晶好きな松ちゃん
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宮城県白石市小原七里沢 雨塚山 母岩付き両錐(曲がり)紫水晶
1990年代に採取された、雨塚山の母岩付き紫水晶です。雨塚山の単結晶は、小さいものであれば市場に出回ることがまだ時々ありますが、母岩がついたままというのはまず見かけません。 一番長い結晶はファントムで、5.3cm。ただでさえこの大きさは雨塚山では珍しいのですが、よく見ると根元から結晶が伸び、湾曲した両錐となっています。 色味はどちらかというと、雨塚山ではなく濁った尾小屋鉱山タイプですが、雨塚山でも同タイプの紫水晶が確認されているため、偽物ではないと思われます。 乾燥してあちこちヒビが入り、母岩が外れそうなのですが、まだ何とか形状を保っています。母岩の中には複数の小粒紫水晶が入っており、剥離した跡も見られます。 2025.1.6 親友の手に渡りました。
13500 ヤフオク 2022.4.5水晶好きな松ちゃん
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神奈川県足柄上郡山北町玄倉(くろくら)水晶沢 緑泥石・金雲母入り水晶
収集初期に運良く入手できた神奈川県の水晶。 全体的に緑色なのは緑泥石由来で、一部に球体の緑泥石と金雲母が見られます。4、5枚目の水晶はどちらも確認できます。サイズは最長2.2cmです。 玄倉は元々、立派な国産燐灰石が採取できる場所として知られていましたが、水晶はその採取の際についで感覚で採取されていた様子。現在では、燐灰石、水晶共に全く採れなくなったと聞きます。また、極めて険しい道のりとのことで、出回りにくさに拍車をかけています。
ヤフオク 2019年8月水晶好きな松ちゃん
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埼玉県秩父市中津川 秩父鉱山 橋掛沢 水晶クラスター
「ミネラ」89号掲載 秩父鉱山、橋掛沢で採れた水晶です。 様々な鉱物が採れることで多くの採取者が訪れた秩父鉱山です。私も一度は訪れたかったところ。 ここにあるものは全て、結晶は1cmに満たない長さです。とはいえ群晶ともなれば、なかなか立派に見えてきます。 インクルージョンにより緑色にも見える標本もあります。また、蝕像の影響による柱面のガタガタ模様も観察でき、ルーペを握ると楽しい時間を過ごせます。 いずれもヤフオクにて入手。
ヤフオク水晶好きな松ちゃん