局地戦闘機「秋水」

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ドイツのメッサーシュミットMe163を参考にしたロケット推進の戦闘機で、米軍の高高度重爆撃機B29を迎撃する切り札として、珍しく海軍と陸軍が協調して開発に取り組んだ。試作機は三菱重工業が機体、エンジンの両方を製作した。ロケットエンジンの巨大な推力で高度1万メートルまで3分半という驚異的な上昇力を発揮、時速600~800キロでB29に近づくと、両翼に搭載した30ミリ機銃で攻撃するという構想だった。ただ、ロケット燃料は上昇でほとんど使い切ってしまい、B29の巡航高度に滞空して戦闘可能な時間は1分半から3分しかなく、その後は滑空して帰投しなければならなかった。

何とか実用に耐えるものが完成したのは45(昭和20)年の6月だった。試作1号機は7月7日に初飛行を実施、ロケットエンジンへの点火には成功したものの、構造上の問題から離陸直後にエンジンが停止してしまい、不時着して機体は大破した。

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