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- 173F 3輪・4輪以上の 車両関連
- 日野 ルノー4CV 1955年
日野 ルノー4CV 1955年
第二次世界大戦最中の1924年にディーゼル・エンジンのメーカーであったヂーゼル自動車工業か ら独立した日野ヂーゼル工業(現在の日野自動車の前身)は、旧日本軍のために戦車や軍用大型車両の 生産で知られていたが、敗戦と共にバスやトラックの生産を開始していた。やがて、小型乗用車の生 産解禁にともない小型乗用車の分野への進出を企画した。小型乗用車の生産に関する技術を持ってい なかった日野自動車では、外国メーカーとの技術提携の道を選択し、フランスのルノ一公団と技術提 携を結ぶ。生産車として選ばれたのは、小型車ルノー4CVであった。
1953年(昭和28年)からルノー公団との契約のもとノックダウン生産を開始した。順次国産部品の調達率を高め、1958年(昭和33年)3月ついに完全国産化を達成、フランス本国での生産が終了した後も1963年(昭和38年)8月まで生産された。
その間には日本の悪路に適合するよう足回りの強化が行われ、エンジンも強化、また当時の中速車・高速車規格に適合させるためバンパー延長で車体長を稼ぐなどの措置も行われている。後に日野・コンテッサのエンジン開発などを担当した鈴木孝によれば、吸気口をフロント側に移設する・マフラーを独自設計する・エアクリーナーを不織布ベースのものに変更するといった改良も行われたという。
軽量で機動力に富んだミニマムな4ドア車という特性からタクシーにも好んで使われ、その愛嬌ある姿から一般にも「亀の子ルノー」などと呼ばれて親しまれた。