71回目の日記 ヴァンゲリス逝去
初版 2022/05/21 12:27
改訂 2022/06/23 21:31
数多くの映画音楽を手がけたギリシャ出身のシンセサイザー奏者/作曲家、ヴァンゲリスが5月17日に亡くなりました。享年79。私の若かりし頃、本格的に映画を観始めた際に、彗星のように映画音楽の舞台に現れた印象があり、それだけ親しみのある存在だっただけに、この訃報はショックでした。
一般的に映画音楽として有名なのは『炎のランナー』『ブレードランナー』、そしてとりわけ日本国内では『南極物語』という80年代前半に公開された作品のサントラ盤のいうことになりますか。もちろん、それ以前にもシンセサイザーの音色にはそれなりに触れてきましたし、それが映画音楽に使用されることにも何の違和感もなかったのですが、それでも初めて劇場(松竹セントラル)で『ブレードランナー』を観たときのあの魅惑的な映像の背景を彩った音楽、そしてエンドクレジットで流れたあの有名なテーマ曲には衝撃を受けました。そして、その数か月後に観た『炎のランナー』で、メロディー・メーカーとしても非凡であることを再確認でき、名実ともに映画音楽作家の地位を不動のものにした印象がありました。ただ、映画・テレビ番組の音楽活動は意外と多いにもかかわらず、その作品がCD化されることは本人の意向もあってかあまりなされず、一部の楽曲がベスト盤などに収録されたくらいなのが残念なところです。
で、そうなるとヴァンゲリスの映画音楽はプライベート盤、つまり海賊盤の温床にになりやすい。実際、私も正規盤は出版されなかった『ミッシング』、『バウンティ/愛と反乱の航海』のCDは持ってますしね。また、映画公開時から切望された『ブレードランナー』のサントラ盤に関してはなかなかリリースされず、まずスコア盤が制作されたのですがそれでは飽き足らず、結局「This is a special limited edition release and is not licensed for public sale」の表記のあるサントラ盤CDが2,000組限定で制作されるなどのことがあり、そのようなことに後押しされたのでしょうか、1994年にようやく正規盤がリリースされたなどのことがあったのですが、その辺の経緯はこれらの関連CDを展示した際に触れてみたいと思っています。もっとも、『ブレードランナー』のサントラ盤CDについてはその後もプライベート盤、海賊盤の類いも数多く世に出され、私もよくわかっていないことも多いので、どこまで解説できるか。ちなみに、この文章を作成している数日前にヤフオクに『ブレードランナー』のプライベート盤3種が廉価の初期価格で出品されていたのですが、落札期限直前には当たり前のように高額の入札額になっており、私は一つも手が出ませんでした。
どうしてもサントラ盤コレクターとしては前段のような話題になってしまうのですが、ヴァンゲリスのCDはサントラ盤以外のものもいくつか所有していたはずなので、いい機会ですから押し入れの奥から引っ張り出して、久し振りに聴き返してみることで偲ぼうと思っています。
ということで、ここでは後に正規盤をリリースさせるきっかけとなった『ブレードランナー』の初期のプライベート盤2種の画像を掲げます。特に二つ目の青地のジャケットの盤は何とルーマニア製、後にも先にもこの国での制作されたCDはこれしか見たことはありません。
https://www.youtube.com/watch?v=wQMwfoXg5JE
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哲
2022/05/21 - 編集済み私も大好きでレコード、CDと多数所持しております。訃報は大変残念でなりません。ブレードランナーのサントラは全曲収録されたちゃんとした音源のものを発売して欲しいものです。
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woodstein
2022/05/22哲さん、コメント有難うございます。『ブレードランナー』のサントラ盤については、現在のところ日本国内では2008年にリリースされた「25周年記念エディション」が正規盤では最長、ということになりますかね。これに関しては私はまだ入手出来ていないので、Jason1208さんのこの盤の展示を掲げておきます。
話を元に戻して、「全曲収録されたちゃんとした音源のもの」というのが存在しないから数多くの海賊盤が蔓延ることになったのは本文で述べたとおりで、それらが重宝されたのはやはり哲さんのような不満を持った人が多かったからでしょう。今後どうなるかは分かりませんが、御本人がお亡くなりになってしまったわけですから、もしかしたら何らかのリミッターが解き放たれて…、なんて別の淡い期待もしてしまうのは不謹慎ですね。
https://muuseo.com/jason1208/items/885
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nocturnalclan
2022/05/21 - 編集済みアフロディテス・チャイルドを
覚えている人は居るかな?
(*´ω`*)
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woodstein
2022/05/22nocturnalclanさん、コメント有難うございます。「アフロディテス・チャイルド」を覚えているか、とのことですが、少なくとも私はそれがどのようなバンドかは知りませんでした。ただ、このバンド名自体は目にしたことがあり、今回のnocturnalclanさんからのこのコメントで思い出しました。映画音楽関連本のフロアに展示した『サウンドトラックGoldmine』の中のヴァンゲリスを紹介する欄に記載されていたからで、引っ張り出して再確認すると
「今や伝説のバンド“アフロディテス・チャイルド”をデミス・ルソス、ルカス・シデラスと結成するが『666』、『雨と涙』の二枚のアルバムを発表して解散する。」
という説明書きがありました。nocturnalclanさんはその伝説のバンドの音楽をかつて堪能されたのですね。
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nocturnalclan
2022/05/2272年のアルバム「666」を最初に
リアルタイムで聞きました。
当時、プログレかぶれの中坊で
英米以外のバンドを漁る中で
ギリシャ出身と言う事で手を出した
次第です。
初期にはシングルヒットも
Rain&Tears–APHRODITE’S CHILD
https://youtu.be/RJj1mWZNaRo
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Furuetti
2022/05/21 - 編集済み炎のランナーのテーマ曲は大好きな曲でした。その後、オーディオ的な興味で他の作品も少し聴いて、長くご無沙汰でしたが、訃報を聞いてまた聴き直したいと思っています。
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woodstein
2022/05/22Katsutoshi Furueさん、コメント有難うございます。『炎のランナー』のテーマ曲はとても聴き易く、かつ覚えやすい、まさに名曲でした。2012年のロンドンオリンピックの開会式でも利用されていましたが、ちょっと大げさな言い方をすれば『威風堂々』と並ぶイギリスを代表する音楽の一つなのでしょう。
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kinggidoko
2022/05/21 - 編集済み炎のランナーの、あの曲を制作されたかたなんですね。音楽が映像を引き立てた印象の映画でした。
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woodstein
2022/05/22kinggidokoさん、コメント有難うございます。『炎のランナー』の本編のタイトルバックはランナーたちが砂浜を走るシーンでしたが、その背景に流れるテーマ曲は映像と一体感があり、非常に印象的でしたね。
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Shirubu
2022/05/22 - 編集済みブレードランナーのテーマを収録したベスト盤も買いましたが、カール・セーガンのCOSMOSで採用されていた『Alpha』が一番好きです。
COSMOSを観てまた聴きたいと思いました。小学生でしたし、インターネットも無い時代、曲名を調べる手段は無かったです。大学生の時に偶然、ヴェンゲリスの曲と知り、すぐに、CDを買いに行った思い出があります。
https://muuseo.com/Shirubu/items/2910
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woodstein
2022/05/22Shirubuさん、コメント有難うございます。御紹介の『Alpha』はかなり以前に私も聴いたことがあり、そのときは『ブレードランナー』の流れを組むような曲、という印象を持ったことを思い出しました。前半はやや冗長ですが後半の盛り上げ方はまさに「ヴァンゲリス節!」という感じですかね。
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freedom
2022/05/22 - 編集済み炎のランナーのテーマ曲大好きでした。
歌がないのに心にしみわたる透き通ったメロディが印象的でした。
映画も鑑賞できる機会があり、音楽から入っていけましたので、
スムーズに入っていけました。
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woodstein
2022/05/22freedomさん、コメント有難うございます。『炎のランナー』のサントラ盤はインストゥルメンタル唯一の全米No.1アルバムでした。それだけ万人に受け入れられやすい名曲で、freedomさんのように音楽から映画に入っていった人も多かった、という話を聞いたことがあります。そういう私もその一人ですが、その辺の経緯はいずれ『炎のランナー』のサントラ盤を展示した際に語ってみたいと思っています。
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recopan
2022/06/22 - 編集済みwoodstainさん、Vangelis亡くなられたんですね。私もブレードランナーのリバイバル映画館情報を新聞でチェックしてリバイバルされる度に観に行ってました。予告編は本当に地味で、雨の中、ハリソンフォード逃げているイメージしかなかったのですが。サントラは発売されず、オーケストラで演奏されたLPを持っていましたが、まさしく1994年に待望のサントラが発売されて買いました。それを聴きながらこれを書いています。実は6曲目のラグタイムを聴きたかったのがサントラが欲しかった1番の理由です。
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woodstein
2022/06/23recopanさん、コメント有難うございます。『ブレードランナー』のリバイバル上映ですが、私はせいぜい1992年に観たくらいですかね。その10年前の初公開と同じく松竹セントラルで、でした。
さて、6曲目は『One More Kiss, Dear』でラグタイム調の曲でしたね。こういう曲を紡ぎ出せるのがヴァンゲリスの懐の大きさということなのでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=IFTRLijNajg
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recopan
2022/06/23 - 編集済みこのYouTubeのシーン良いですね。レイチェルがレプリカントらしい反応を見せながら、デッカードによってより人間に近づいて行く。すごいシーンです。
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