64回目の日記 令和四年正月

初版 2022/01/03 09:39

改訂 2022/03/11 04:42

謹賀新年


 今回もまたこの場でMuuseoに参加の館長の皆様に新年の挨拶をすることができました。今年もよろしくお願いします。

 この欄では、昨年及び一昨年とそれぞれ39年前のお正月映画に関することを振り返ったのですが、今年も両年と同様のことを行うべく、1983年のお正月映画を対象とします。

 とは言うものの、この年の正月興行は、ほぼ『E,T.』の一本被り状態で他に『ランボー』と『アニー』が目立ったところかな。個人的にはシネマスクエアとうきゅうで上映された『隣の女』や「男はつらいよ」の併映作品である『次郎長青春篇・つっぱり清水港』なども良かったと思うのですが、何せ『E,T.』は社会現象となるほどの大ヒットでしたから、結局は触れざるを得ません。もっとも、作品そのものについてはかなり周知ですし、音楽についてはサントラ盤の展示の際に触れるべきでしょうから、この場で語るべき事柄ではない。迷った挙句、当時の公開劇場の系列を絡めた話をすることにしました。

 そこでですが、現在の映画館はシネマコンプレックス全盛で、東宝、東映、松竹の違いといっても、邦画の製作会社の違いに過ぎないというイメージなのでしょうが、それこそ40年以上前は主に洋画のロードショー作品を上映する映画館も東京ではほぼ上記のような映画会社の系列があり、上映作品が割り振られていました。ただ、その具体的な劇場などの全貌について語るのは、あまりに話が大きくなり過ぎるので、それは機会があれば別途解説するとして、ここでは銀座、新宿、渋谷地区の松竹洋画系の劇場に絞ります。

 有楽町・銀座地区に存在した松竹洋画系劇場は、劇場の規模の大きい順(私見)に、松竹セントラル、丸の内ピカデリー、東劇、そして丸の内松竹の4劇場で、それこそ興行的な期待度に応じてほぼこの順に上映作品が割り振られたわけです。そして、この4劇場と同じ作品を上映していた新宿、渋谷地区の上映館をそれぞれ順に列挙すると

・松竹セントラル ━ 新宿ミラノ座 ━ 渋谷パンテオン

・丸の内ピカデリー ━ 新宿ピカデリー ━ 渋谷東急名画座(不定期)

・東劇 ━ 新宿京王 ━ 渋谷東急

・丸の内松竹 ━ 新宿京王地下(新宿京王2) ━ (渋谷地区には上映劇場なし)

で、館名からもわかるとおり、新宿ミラノ座、渋谷パンテオン、渋谷東急名画座、そして渋谷東急は東急系列、新宿京王及び新宿京王地下は京王系列で、松竹経営の劇場ではありませんが、それは余談。

 通常ならば、前段で掲げた4系列にそれぞれ異なった作品が割り当てられるのですが、『E,T.』については実に2系列が、それもセントラル系とピカデリー系の規模の大きい2つの系列が割り当てられました。配給会社(CIC)の興行に対する自信と期待の表れであり、結果的にはそれに応えたのですが、このような強気の姿勢には、公開当時少なからず驚かされました。そして、もう一つ違和感があったのは、こんな強力な作品を、東宝洋画系ではなく松竹洋画系に割り振ったこと。で、理由については憶測ですが、前年のお正月映画として公開された、同じスティーブン・スピルバーグ監督の『レイダース/失われた聖櫃《アーク》』の上映劇場が東宝洋画系で、その時は必ずしも当初の目論見よりは興行成績が良くなかったので、配給会社もその点を考慮に入れたのかもしれません。

 ちなみに、『E,T.』の公開日は1982年12月5日、この約一ヶ月後が共通一次試験だったのですが、あろうことか私はそれまでに新宿ピカデリーと渋谷パンテオンで計2回、本作を観てしまいました。こんなことをやっていたから…。

ということで、ここでは公開当時と、ついでと言っては何ですが1986年のリバイバル時のチラシ画像をそれぞれ2枚ずつ添付しておきます。

#思い出 #映画チラシ #E.T. 

 映画音楽とクラシック音楽をこよなく愛するwoodstein(ウッドスタイン)という者です。それ故、必然的にCD、レコードコレクターであり、他人にその保有数を告げると、殆どの場合、引かれてしまうという困り者です。自分でもコレクションを把握できていないという体たらくでして、この場を通じて、実情を解き明かしていこうと目論んでいます。

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    dape_man

    2022/01/03 - 編集済み

    昭和58年(1983年)の正月映画は母親と一緒に歌舞伎町の映画館(オデヲン?)で『地中海殺人事件』を観ました。大ヒット中の『E.T.』ではなく、『地中海殺人事件』を選んだのが我ながら趣味が一貫しているなぁと(笑)

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      woodstein

      2022/01/05

       dape_manさん、コメント有難うございます。さすが、ミステリー好きのdape_manさんらしいチョイスでした。この前後の数年間はアガサ・クリスティー原作、あるいは関連作が目白押しで、思い起こせるだけでも『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』『クリスタル殺人事件』『地中海殺人事件』『ドーバー海峡殺人事件』、そして『アガサ 愛の失踪事件』などがありました。中にはつまらない作品もありましたが、概ね秀作揃いだったかな。私が「地中海」を観たのは、この時ではなくもう少し後の時期に名画座で、でしたが、それなりに楽しめました。ただ、お正月興行に耐えうる作品だったかどうかはいささか疑問でした。
       あと、この頃は歌舞伎町の噴水の周囲には映画館が数多く存在し、東急と東宝の建物以外にもオデヲン系やジョイパック系の劇場がありました。多分「地中海」は伊勢丹前の文化系の劇場でも上映されていたはずでしたが、dape_manさんは新宿オデヲン座(地下)、若しくはグランドオデオン座(1階)で、ということだったわけですね。

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    Kota_kota28

    2022/01/04 - 編集済み

    昨年はお世話になりました🙇
    今年も宜しくお願い致します👍

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      woodstein

      2022/01/05

       Kota_kota28さん、コメント有難うございます。こちらこそ、今年もよろしくお願いします。早々に初売りに行かれたそうで、今年もコレクションの充実度具合を拝見させて戴きます。私も、今年こそは自身のコレクションの本命であるサントラ盤CDの展示を始める予定です。あまり興味は湧かないでしょうが、たまにはは見てやってください。

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    recopan

    2022/02/18 - 編集済み

    Woodsteinさん、大変遅いですが明けましておめでとうございます。そうでしたね、当時は、配給会社で上映される映画館が違っていて、大阪では松竹座でETを鑑賞したと思います。今年は映画を映画館で見ようと思う映画が自分なりに増えて、「キングスメン」、「ハウスオブグッチ」、「ウェストサイドストーリー」を観ました。懐かしい思い出を思い起こさせていただいて、ありがとうございます!

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      woodstein

      2022/02/24

       recopanさん、コメント有難うございます。返事が遅くなり申し訳ありませんでした。
       私は東京在住ですので映画館事情はその周辺地域が主になってしまいますが、今後も折に触れて、私が頻繁に劇場やホールで映画を観た時代の映画館事情については語っていきたいと思っています。あと、いずれは大阪の劇場についても少し。特にOS劇場の話など…。
       私も新作を劇場で観たいのですが、体調もありなかなか実現できないのがもどかしいところです。特に昨今は旧作の続編やリメークが多く、再び訪れやすい劇場公開作品群的環境が整いつつあるので、ちょっと残念なところです。

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      recopan

      2022/02/28

      woodstainさん、体調良くなってくださいね。OS劇場には本当に思い入れあります。シナラマと言って湾曲したスクリーンで、運悪く端っこの席だと映画が湾曲するのですが、大スクリーンの魅力ある映画館でした。一番の思い出は、2001年宇宙の旅をリバイバル上映した時に、高校生だったのですが、初めて座席に白いカバーのある指定席を取るために一番に並んだのですが、端っこから順に席を埋めていくシステムだったようで、一番端っこになりました。。。今となっては良い思い出です。

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      woodstein

      2022/03/11

       recopanさん、再びのコメント有難うございます。そして、お気遣いいただき有難うございます。私もOS劇場が閉館となる1991年2月に大阪まで行って『2001年宇宙の旅』を観ました。その時の話は、いずれしたいと思っていますが、これで日本からシネラマの映画館が無くなるのかと、一抹の寂しさを感じたことを覚えています。

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