58回目の日記 高田馬場中古レコード店今昔
初版 2021/08/24 13:37
改訂 2021/08/25 18:53
1.初めに
前回の日記で掲げたトークイベントの開催候補地の一つが東京の高田馬場なのですが、かつてはレコード&CDハンティングの狩場として足繫く通ったものの、近年はフットワークも衰え、めっきり訪れなくなりました。でも、イベントに参加することになれば、ついでにその会場近辺の中古レコード店に行きたくなるのが人情ですから、現状はどうなっているのかを確かめるべく、久し振りに中古レコード店のガイド本である「レコードマップ」、その最新刊『レコード+CDマップ21-22』を購入しました。そのアイテム自体はすでにミュージアムに展示・登録しましたが、その具体的内容についてはなかなか語り切れるものではありません。ということで、今回は『レコード+CDマップ21-22』と並んで同フロアに展示・登録した『レコードマップ2003』の記載も引用して、高田馬場地区の中古レコード店事情について触れてみたい、と思ったのですが、現状が誠に寂しい。そこで、単純な比較ではなく、昔の思い出や雑感などを中心に織り交ぜながら、話を展開していきたいと思います。
2.2003年
上記の地図は『レコードマップ2003』に掲載されている高田馬場地区の中古レコード店などの所在地をもので、実に12店も存在していました。ちなみに、私が高田馬場に赴いた際は
②DISCAT高田馬場店
④レコファン高田馬場店
⑤タイム
⑩DISC FAN
の4店、これ以外に駅前のCDショップ「ムトウ楽器」を含めた5店に必ず訪れたものでした。
まず「DISCAT」ですが、どちらかというとレーザーディスク、さらにはDVDをメインに取り扱っていた印象があります。それでも国内盤の中古帯付きサントラ盤CDが定価の半分程度で買えることが多く、結構重宝した店でした。
次に当時大型チェーン店であった「レコファン」ですが、渋谷BEAM店は言うに及ばず、下北沢、新宿、池袋、秋葉原、吉祥寺、大森などの店舗よりも高田馬場店は小規模で、それほどCDを購入したという記憶はありません。ただ、レコファンには何回か買取りをしてもらったことがあるのですが、明らかにかつて自分が所有していたものが割と目立つ位置に陳列されているのを見つけたときは、ちょっと複雑な思いでしたね。
さらに「タイム」ですが、おそらく私が最初に利用した中古レコード店だと思います。きっかけは高校生の時、同じ早稲田通りに面する早稲田松竹で映画を見た後、高田馬場駅に向かって歩いている際に偶然見つけたことで、気が付くと建物の中の細い通路の先にある入り口に吸い込まれるように向かっていました。すでにサントラ盤には興味を持ち始めている時期でもあり、その時はエサ箱を物色の末に2枚のLPレコードを購入しました。帰宅後聴こうと袋から取り出すと、そのうちの1枚、『王様と私』のレコードが映画のサントラ盤ではなく、いわゆるブロードウェイ・キャスト盤でした。つまり、ろくな確認もせず買ってしまったわけですが、確か1,200円くらいと額も小さくなかったので、数日後に恥を忍んで返品を願うべく再訪しました。普通ならば、買うものを間違えたから返品してくれ、なんて依頼は受け付けられないのでしょうが、あの個性的なヒゲの店長は受け入れてくれました。と、そこまではよかったのですが、それならば、ということでその店長は私に複数巻の映画音楽全集アルバムを薦めてきました。あまり気は進まなかったものの、返品を受け入れてくれたという負い目もあり、結局購入してしまったのですが、そこに収録された曲は正体不明のオーケストラの演奏ということもあり、悉くつまらない内容のものでした。もしかしたらデッドストックをまだあまりモノを知らない高校生に押し付けたのかもしれませんが、今となっては確認もできません。結局、中古レコード店利用に関する勉強代を支払った、と自分に言い聞かせて憤りを沈めました。ちなみにその映画音楽全集レコードは、入手から約10年後に前段に掲げたレコファンに引き取ってもらったのですが、その時自宅に訪れた買取担当者のセリフが忘れられない;「これらはお値段になりませんね。」、そんなものです。そんなことがあり、また私自身が受験生となり、映画館にもレコード店にも行けなくなったこともあって、この店とは数年間疎遠だったのですが、社会人になってからまた訪れるようになりました。かつては1階部のみだった店舗は2階までに拡張されていたのには驚きましたが、それほど掘り出し物には巡り合えなかったような気がします。ですので、数回に1回ぐらいしかレコードやCDは購入しませんでしたね。
最後に「DISC FAN」ですが、誠に小さな店でした。ただ、それに反して結構掘り出し物に巡り合えたという記憶があり、高田馬場では無視できない穴場的な中古レコード店でした。
あと高田馬場のCD店で忘れてはならないのが「ムトウ」なのですが、中古屋ではなかったので、ここでは店名を掲げるに止めておきます。
3.2021年
前段で触れた4店舗に加えて『レコードマップ2003』で紹介されていた12店舗のうち、実に10店舗が消滅していました。新規に開店していたのはディスクユニオンのみ。すなわち、掲載は3店だけでした。
とにもかくにも、高田馬場に行けることになったら、イベントの前後のどちらかにディスクユニオンとブックオフ高田馬場北店には寄ってみようかな、と思っていますが、どうなりますか。
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MATHEW STREET 1962
2021/08/24 - 編集済み時代の流れとは言え悲しいですね。
3~4年前に西新宿に行ったのですが、中古レコード店は悲惨な状況でした。1980年代~1990年代に隆盛を誇っていた中古レコード店団は何処へ…。😢
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woodstein
2021/08/25MATHEW STREET 1962さん、コメント有難うございます。本当に何処へ行ってしまったのでしょう。ちなみに『レコードマップ2003』に掲載されている西新宿地区の中古レコード店などは実に58店舗であったのに対し、『レコード+CDマップ21-22』には僅か13店舗しか掲載されていませんでした。私自身は自分の好みのジャンルを扱う店がなかったため、西新宿地区の中古レコード屋とはあまり縁がなかったのですが、それでも2店あったビートルズ専門店には何回か訪れ、その都度圧倒されたことを覚えています。
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bluenote
2021/08/24 - 編集済み中古レコード市場が厳しいのは、CD、レコードを購入する人が、確実に減っているからでしょう。
品揃え、価格の安さでは、ディスクユニオンに対抗出来る店は、無いでしょう。
大阪にも、出店しているのですが、現実、私も、ディスクユニオンしか行かなくなってしまいました。
他の店に入っても、欲しいレコードは無く、価格も高い、小規模店舗では、対抗出来ないので、これからも、消滅店舗は、後を絶たないでしょうね。
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woodstein
2021/08/25bluenoteさん、コメント有難うございます。確かにディスクユニオンはかなり勢力を拡大しましたね。上記のMATHEW STREET 1962さんへのコメントでは西新宿の状況について触れましたが、駅の反対側の東新宿地区にはディスクユニオンが実に16店舗もあるのがその象徴でしょうか。あとは、ブックオフに代表されるチェーン店の影響もあると思います。何か、大型スーパーや郊外型量販店が進出して駅前商店街がシャッター通りになってしまう構図の様です。そんな状況の中、我々コレクターはただただ漂流し続けるのでしょうね。
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