Yiliangella forficula

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こちらは、中国のイーリャンゲラ・フォルフィキュラ (Yiliangella forficula) であります。カンブリア紀前期 (特にSeries2, stage4) に当たる時代の化石を産する、馬龍生物群 (Malong biota) の紅井哨紅累層 (Hongjianshao fm) のものです。

中国の化石特有の黄土色の母岩に、鉄錆色の本体が生える化石です。優美で流れるような胸尾部の棘は、どこか柔らかそうで、モロッコのGygantopygusなどを思わせます。頬部が失われてはおりますが、本種に関しては完全な標本はほぼ無いと言ってよく、これで上位の保存状態であります。

大型で実に美しい中国の標本ですが、砂泥質の母岩が脆く、標本箱の中に置いているだけでも、徐々にポロポロと崩れるのが玉に瑕です。

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  • 1. 魅惑の三葉虫 2020年01月17日 21:29
    カナダ経由の方ですね。結果として、こちらのが大きくて安価となりましたので、さすがの見極めです。紅井哨紅の三葉虫は、大きめで面白い形態のが種類が多く何気に気にはなりますが、完全のものは粗無く、不完全な標本でも極めて入手が難しいですね。この年始までの状況はここ10数年位で最も豊富に市場に現れていましたが、この状態はもう続かないと思っています。私もYiliangellaは、中国産に留まらずカンブリア紀全体でも上位の好みの種類ですね。
    2. orm 2020年01月17日 22:26
    >魅惑の三葉虫さん
    まさにそのカナダの有名出品者の方からのものです。年末年始のオークションは、皆熱くなって入札がヒートアップしてしまったようですね。ただそれでも、熱くなってもおかしくない素晴らしい標本群だったと思います。
    Yiliangellaの好み、魅惑の三葉虫さんがご同意頂けると自信が出ますね。馬龍 も関山も、あと1年程度が最後のチャンスとみなして、自分の好きな種だけでも、例え不完全でも手に入れたいものです。
    3. hdo 2020年01月21日 22:49
    優美な種類ですね。渋い色合いも良いです。一見して艶のある外殻はチェコ産に似た硬質な印象を受けましたが、母岩の雰囲気は全く違いますね。中国産は供給が安定せずにぱっと出てさっと消えていく種類ばかりで、特にこのような良いものは一期一会に思います。
    4. orm 2020年01月21日 23:47
    >hdoさん
    たしかにチェコのJince産を彷彿とさせる色合いをしておりますね。どちらかというと、この種はこの色合いはマイノリティで、典型的にはもう少し母岩と紛れそうな薄い茶色を呈する事が多いようです。いずれにせよ美しい種だと思います。中国産は回転がはやく、まるで今の中国社会の目紛しさをなぞる様でありますね。

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