2021.12.05 King Crimson (Part1: Royal Package編)
<2021年12月11日に書いたブログ記事の再掲です> ほんの僅かでも時期がズレていたら実現しなかったであろう、奇跡の来日ツアーとなったKing Crimson公演。本来、最終公演として発表されていた「立川ステージガーデン」で観てきました(のちにBunkamuraオーチャードホール2公演が追加)。 今回はPart1として、運よく参加できた開演前の夢のひととき、「Royal Package」についてレポートします。 コロナ禍で海外アーティストの来日は軒並み中止、生演奏の音楽を失って約2年…。 待望のKing Crimson来日公演が迫るある日。たまたま受信しているKing Crimsonの運営会社(?)DGM Liveのメルマガで「Royal Package」なるVIPプログラムが各公演に75名分限定で用意されていることを知り、速攻で申し込んでみました。一体いくら取られるんだろう…とドキドキしながら手続きを進めていったら「¥0」で決済されてびっくり!無料で早い者勝ちということでした。一緒に見に行く予定の先輩にもすぐに情報展開、無事に2人とも参加できることになりました。 ちなみにRoyal Packageの内容は以下のとおり: 会場への優先入場 歓迎のおもてなし プロデューサー兼マネージャーのDavid Singleton氏(「9人目の男」)がKing CrimsonとDGMの世界をご案内 8人のバンドメンバーのだれか1人に質問できるチャンス 45セット限定の専用グッズ(コレクターCDセット、メンバー全員のサイン入りプログラム、専用トートバッグ、VIPパス)購入のチャンス そして迎えた当日。立川にはシネマシティもあって何度か来たことがありましたが、この会場は初めて。きれいなモール(当日はオシャレな蚤の市?みたいなイベントやってました)を抜けた先にホールがあり、入口には早くもグッズ先行販売の行列が。そしてその奥に「Royal Package」専用の入口。VIP気分で並びます。 開演時間の2.5時間前の15:00に入場開始。検温、身分チェックを終えると配布される黄色いリストバンドを装着し、Royal Package専用グッズ売り場で散財(苦笑)してから、いよいよ会場内へ。ステージ前に用意された75名分の座席(間隔を開けて1席飛ばしで座る形)に順番に案内される。運よく前から2列目のど真ん中でした! ライブ盤では"Introductory Soundscape”と題されているSEが流れる中、目の前に並んだド迫力の3台のドラムキットを筆頭に、ステージ上にぎっしり並んだ機材をじっくり眺めたりしながら待っていると、やがてマスク姿のRobert Fripp総帥が登場!!いきなりか!!びっくり!! マスクを外し、笑ってるんだか怒ってるんだかわからない表情でひとしきり観客を眺めたのち、バンドを代表してのご挨拶。 内容を全部覚えているわけではありませんが、特に印象に残ったお話: 来場してくれたことへの感謝 (ボタン一つで簡単に音楽が入手できてしまう)今の世の中においてライブ音楽がいかに大切か マスクを着用することが日本では定着していると感じる(アメリカでは「俺様にマスクを着けさせるなんて何事だ!」と国を分断するほどの大騒動になっているのに比べて) コロナ禍まっただ中での来日ツアーがいかに大変か(手続きの煩雑さ、検査、隔離、…) さんざん手続きふまされてアメリカに降り立ってみたら検査も手続きもなーんもなし! ヒースロー空港では感染率の高い国からの渡航者もみんな一緒の列に4時間も並ばされた 日本はそんなアメリカやイギリスと比べても世界で最も真剣にコロナと向き合っている そして、いよいよ質問タイム。 Fripp総帥:「どなたか熱く燃え滾るような質問(”Burning Question”)があればお受けします。」 → 自分含めて張り切って挙手する人数名 Fripp総帥:「熱すぎて熱すぎて、胸が張り裂けそうな質問をお願いしますよ。」「女性の方で質問のある方は?」 → だれも手挙げず…。 Fripp総帥:「では、だれか他に熱い、熱~い、質問のある人、いませんか?」「私が答える内容によってはこの先の人生が変わってしまいかねないような質問のある方?」「なぜ、その質問がそんなにも熱いのか、こちらからも聞きますからね?」 → と、どんどん上がるハードルに、日和って手を下ろしてしまう人も… Fripp総帥:「さて、いかがでしょう?」 → 自分含めて数名が勇気を振り絞って挙手。 Fripp師匠:「通訳のKenさんに指名してもらいましょうか。」 そんなやりとりを経て、ほぼ100%虚勢だけで元気よく挙手した自分をKenさんが指名してくれました!!!嬉しいけど怖い!! ステージ上のFripp総帥が自らマイクスタンドを僕に差し出してくれます。きょ、恐悦至極にござりまする!! 緊張しまくってガクブル状態!!日本語か英語かで迷いましたが、日本語で質問させていただきました。 「貴重なお話ありがとうございました。COVID-19で大変な思いをされてきたご経験をお話いただきましたが、そのご経験が新たなインスピレーションとなって、King Crimsonの新しい音楽を我々に届けてくれる、そんな可能性はありますでしょうか?」 …といった内容を聞いたはずです(記憶けっこう飛んでます)。 するとFripp総帥「で、なんでその質問があなたにとって熱いの?」(げげげ、忘れてなかったか…本当に聞いてきたよ、どーする!?) とっさに「Because, I've heard rumors that this tour is going to be the end」と答えると、Fripp総帥ニヤリと笑ってしばしの間を取り… 「"終わり"というものには三つの種類があり…それぞれの終わり方というものはだな…」云々と何やら小難しい長話をされて煙に巻かれた感じになりましたが、都合の良い解釈含めて要約すると: このツアーはこれで終わり King Crimsonとして活動の予定はない その先が決まっていたらそれを意識してしまうので何も決めてない 今後のことなど誰にもわからない 終わってから何が起こるか?様子を見ようじゃないか という感じで、今後の活動の可能性に含みを持たせたようなお答えだった…ような気がします。 おもむろにカメラを取り出したFripp総帥と写真の撮りっこ(まだ緊張が残っててカメラの設定間違えたのもあり、撮った写真はどれも手ブレ…)に興じたのち、ここでFripp総帥いわく「私よりKing Crimsonをよく知っている」David Singleton氏にバトンタッチ。 Singletonさんからも簡単なご挨拶があり(高価な限定グッズを買ってくれてありがとう、と営業トークも)、コロナ以降本格的な来日ツアーを実施できた最初の、そしてここ立川ステージガーデンで演奏する初の海外アーティストとしてステージに立てることへの感謝、そして12月に入って日本でも外国人の入国が原則禁止になってしまったこともあり、本当に奇跡的なタイミングで実現できたライブであることを強調されていました。そしてすぐに質問タイムに突入。多くの質疑が行われましたが、なかでも故Bill Rieflinについての質問に対し、「まだ亡くなったという実感がない。自分はバンドの"9人目"と呼ばれているが、今バンドは7人編成なっていても8人目にBillがいるので自分もずっと9人目なんだ」という答えが印象的でした。 そんなSingletonさんとのやりとりをしていると、Tony Levinがふらっと表れて合流!! ここからはTonyへの質問タイムとなり、多くの質疑が行われました。中でも、Funk Fingersでの演奏はしないのか?という質問(目の前にいたお客さんがマイFunk Fingersを装着してアピールする場面も!)に対し「今回のセットにはFunk Fingersで弾く曲は含まれてないんだけど、持ってきてはいるからそのうち使うことも考えてみるよ、もしかしたら今夜にもやるかもね。」と答えてくれたのですが…これが後にサプライズにつながりました。 そして最後の質問者は一緒に参加した先輩。「I have three quick questions」といきなり反則で3つの質問をぶちかましてました。 最後かもしれないという状況下での演奏ということで心境の変化は? → いつもどおり良い演奏を心がけるだけ(みたいな感じではぐらかされた?) 三人もドラマーがいてどうやって音を聞いて合わせているのか? → イヤーモニターと手元のミキサーで調整しながら聞きたいメンバーの演奏を聴きやすく都度、調整している 終演後にセットリストくれませんか? → それ僕に言われても困るよ… この先輩、数々のライブ会場でPA卓にいるスタッフに交渉してセットリストをゲットしてきてるので僕は「セトリハンター」と呼んでるんですが、さすがの交渉術…おみそれしました。 こうして各々Robert Fripp総帥とTony Levinに直接質問もできて大満足なRoyal Package体験となりました!! King Crimson 2021年来日公演Royal Package限定グッズ https://muuseo.com/tanudon81/items/41 いしー 戦利品。よく見たらトートバッグの裏にも「ロイヤルパッケージ限定」の文字が! King Crimson (2021) https://muuseo.com/tanudon81/items/42 いしー 貴重なサイン入りパンフ!! Part2: Live編に続きます…。