紅葉真っ盛り 「錦秋蒔絵 黒塗轆轤目吸物椀」

初版 2022/11/21 16:44

改訂 2024/12/01 18:22

北海道の紅葉は終わりましたが、関西以西はここからが紅葉本番ですね。11月初旬に訪れた九州ではほとんど紅葉が見られませんでした。

さて秋らしい吸物椀をご紹介します。黒塗りの十客揃いです。

外見は地味な轆轤目の大振りのお椀。煮物椀でも通用しそうです。

蓋を開けると中に秋の紅葉が。

特に蓋裏には華やかな楓の蒔絵が施されています。

ふっくらと張りのある胴のお椀です。

素材はケヤキだと思いますが、塗りは木目を目立たせた「目はじき」になっています。

轆轤目の幅にも変化を持たせていますね。

赤く色づいた葉と緑の葉を対比させます。

金塗りで桜の花も入りますが、あまり違和感はありません。山の紅葉もかくやといった感じ。

まるで秋の野山を歩いている風情ですね。

今は無き輪島の「大向高洲堂」さん(2011年閉業)の製作です。創業1948年と輪島塗の工房としては新しい会社ですが、この椀は1950年代の製作ではないかと思われます。昭和にも素晴らしいお椀を輪島は作っていたことが分かります。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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    利右衛門

    2022/11/22 - 編集済み

    外見はシックな面持ちですが、蓋を開けてびっくり!黒地に紅葉が映えますね🍁
    溜息が出ちゃうくらい美しい〜✨

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      グリーン参る

      2022/11/22

      地味な黒椀の蓋を開けると鮮やかな柄が見える。味覚とともに眼も楽しませてくれるお椀です。
      形状からは「煮物椀」でもいいように思いますが、薄めの汁物であれば中の紅葉も透けて見え、池の中に落ちた赤い楓の葉を覗くような気持ちになりますね。「食事は楽しく」という私のストライクゾーンど真ん中です。

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      利右衛門

      2022/11/22

      これは確実に吸い物椀ですね。仰る通り、池の中の楓の葉そのもので、食事なのに絵画を眺めるような気持ちになりますね✨

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