万華鏡の世界 若州塗分七寸重箱 五段
初版 2022/10/17 21:02
改訂 2023/03/06 23:00
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つい最近このお重を入手しました。七寸の五段重ですべての段で異なった変り塗、また蓋二枚も違う模様なので、全部で七種の変り塗が施された力作です。江戸後期か明治初期か正確な製作時期は判別できませんが、製作から150年は経過していると思われます。
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上からから夜の海、久かた、朝露、高雄、一番の下の変り塗の名称は残念ながら分かりません。
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蓋は二枚ありますが、いずれも重箱本体とは違った変わり塗です。
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「夜の海」の上に「菊霜」の蓋が載ります。蓋は面取りをしており通常のものより手間がかかっています。
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通常の「菊霜」には松葉の菊模様のみなのですが、ここでは檜葉も使われていてあまり見かけない模様になっています。
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「夜の海」 。卵殻の中に微塵貝がわずかに撒かれています。確かに白波が立っているように見えます。
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重箱の木口まで丁寧な変り塗がなされています。ここにも貝片がちょっとだけ使われています。
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上が「久かた」、下が「朝露」です。
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菜種と稗のラインを交互に繰り返すのが「久かた(ひさかた)」という変り塗です。稗を小鳥の足跡のように方向を変えて並べるというのは、非常に手間の掛かる作業だったと思われます。この「久かた」は塗り見本では見たことはありましたが、実物には初めて遭遇しました。
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どの段を見ても素晴らしく丁寧な仕事がなされています。
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二方桟も細身で繊細な作りです。
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蓋は二種類の変り塗。左が唐錦、右が菊霜です。
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唐錦の拡大です。
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蓋裏はシンプルな黒塗りです。
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上が高雄、下は檜葉と卵殻を赤、黄、黒漆の上に蒔いた変り塗。いろいろ調べたのですが、名称は分かりませんでした。
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微塵貝が控えめですが、輝いてきれいです。
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これは別な江戸期の野弁当ですが、ほとんど同じ変り塗です。
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高雄の拡大です。
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若狭塗では非常に珍しいことですが刷毛目が見えます。
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共箱は簡素な作りです。
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ace
2022/12/16 - 編集済み明治初期の職人技はミラクルですね✨🤔
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グリーン参る
2022/12/16 - 編集済み若狭塗では輪島と違い分業制ではなく、木地作り以外は職人さんが一人で仕上げたそうですから、まさしく超絶技巧だと思います。京から近いこともあって、それぞれの変り塗にも風流な名称が付けられているのが都風ですね。
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