「麦とホップを製すればビヒルといふ酒に奈る」 ～ 明治9年　サッポロビール

先週、道立近代美術館で開催されている「皇室の至宝展」に行きました。絵画の他に明治時代の北海道の古写真がたくさん展示されていました。その中に創業時のサッポロビール（当時は「札幌麦酒製造所」）の写真がありました。

これがその明治9年の古写真です。

この樽に書かれた「麦とホツプを製すればビヒルといふ酒に奈る」、私には確かに見覚えがあります。

武林盛一…名前を知りませんでした。明治初期に札幌にこうした写真家がいたのですね。

薩摩出身の村橋久成が中心となって札幌麦酒醸造所は作られました。

この写真の中に村橋がいるかは分かりません。

村橋久成は本当にイケメン（実写ドラマの際はオダギリジョーでお願いします）ですが、その後の彼は「開拓使官有物払下げ事件」に巻き込まれ、とても悲しい最期を遂げました。

村橋久成 - Wikipedia

加治木島津家の分家に生まれ、薩摩藩第一次英国留学生の一人としてロンドンに留学、戊辰戦争では砲兵隊を率いて東北戦争・箱館戦争に従軍する。維新後は開拓使に勤め、日本初の低温発酵ビールを製造した「開拓使麦酒醸造所（サッポロビールの前身）」の設立に携わるが、突如退官した後、家族を捨て一人放浪し、最後は神戸で行旅死亡人として死去した。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E6%A9%8B%E4%B9%85%E6%88%90

3年程前の冬に撮影したビール園の前にある樽の文字。

夏のビール園は勿論良いですが、冬のこのレンガ造りの建物は何とも言えない魅力があります。

余市のニッカウィスキー工場同様、日本の建物とは思えない雰囲気です。

建物の上に燦然と輝く「開拓使の象徴、北極星」のステンドグラス。

冬のビール園は地元の私でも惚れ惚れする夜景が見られますので、皆様札幌にお越しの際は是非冬のビール園で旨いビールとジンギスカンをお楽しみください(笑)。