買ってしまいました～『チキチキマシン猛レース』DVD

ついに買ってしまいました。「チキチキマシン猛レース」のDVDボックス。放映開始の1970年から見ていましたが、「刑事コロンボ」と並ぶオリジナルを凌ぐ日本語吹替え版の金字塔です。昔は何度も再放送されましたが、ここ最近は見たことがありません。まだ到着していないので、届いたら全話一気に視聴します！

馬鹿馬鹿しい内容のこのアニメがこれほど日本で人気があるのは、何といっても「声優さんたちの素晴らしさ」と「卓越したネーミングセンス」のおかげだと思われます。特にブラック魔王の大塚周夫さん、ナレーションの野沢那智さんは最大の功労者ではないでしょうか。

大塚さんはねずみ男、初代五右衛門、山田伝蔵先生など印象的な役が多いですが、ブラック魔王はねずみ男と並ぶ当たり役だと思います。アメリカのアニメなのに江戸弁で通し、ブラック魔王がやられるシーンの「神様～！！」と叫ぶシーンは、バイキンマンの「バイバイキ～ン」と同じくらい見事に嵌っています。悪役なのに何とも言えない可愛らしさ満載。元々のマシンの性能は凄いのに、「一番先頭を走っていて後続を妨害する暇があったらそのまま走れよ」誰もがそう思っていました。ブラック魔王が一度も三位以内に入っていない成績が笑えます。

野沢さんの軽妙なナレーションも抜群。田舎競馬の実況の楽しさを見事に体現しています。ジョン・マクレーンも適役でした。ただ彼の宗方仁だけは軽すぎてどうしても慣れませんでした（中田浩二さんがあまりに素晴らしかったからです）。
他にもバカボンのパパの雨森さん、のび太、ドロンジョの小原さん、レレレのおじさんの槐柳二さん、ジャイアンのたてかべさん、伝説級の声優さんが目白押し。その中でもキザトト君の広川太一郎さんのオネエ言葉は最高でした。このアニメにはほとんど台本がなかったと言いますから、ケンケンの神山卓三さんはじめ声優さん達のアドリブ力恐るべしです。

ポッポSL、ヒュードロクーペ、岩石オープン、トロッコスペシャル、いずれも凄いネーミングです。

10年ほど前に「プジョー208」のCMにチキチキマシンをモデルにしたものがありました。この中ではブラック魔王とタンクGTの新兵くんが秀逸。ブラック魔王のやられっぷりも見事で、まるで画面からそのまま抜け出したようです。テイラー・スイフト似のミルクちゃんがプジョーの彼氏にエスコートされています。それにしても「ゼロゼロマシン」の何とカッコいいことか。

またテレビで再放送しないかなぁ。