『100年後の君を今と変わらず愛している!(by武田鉄矢)』 Hellstern & Sons ビスポークローファー

初版 2023/03/09 18:46

改訂 2023/12/24 03:29

BSフジで現在放送中の『101回目のプロポーズ』。「僕は死にましぇん!」と共に「50年後の君を今と変わらず愛している!」という武田鉄矢のセリフがあります。1年先のこともわからない私にはこのように言い切るのは難しいですが、100年という年月は一人の人間には大変長いものです。

漆器では100年経過したものはさほど珍しくはありません。ただ靴に関しては100年前のものが美しい状態で見られることはほとんどないと思われます。珍しいことですが、製作から100年ほど経過した靴が私の手元にあります。それが下の靴です。

パンチドキャップトゥのローファーです。タンが大変長く、デザインも独特でデコラティブな印象があります。エドワーディアン時代の靴といった感じです。

側面から見るとコバがほどんど見えません。

パンチングの穴は大変小さく作られており、華奢な印象です。

僅かにスクエァに作られたトゥ。カーフは薄いのですが、特に乾燥した感じもなく良好なコンディションを維持しています。

ヒールカップもとても小さいです。

タン部分が直接縫い付けになっている珍しい作りです。

拡大画像でもカーフの質の良さが伝わってきます。ステッチも大変細かいです。

タン部分のサイドの縫い付けが、羽根のような形状になっているのが面白いです。

ソールは極めて薄く作られており、とても軽い靴です。

これは内側を見た画像です。甲前半部が大変に薄いですね。

インソックです。Hellstern & Sonsは1870年にパリ・ヴァンドームに創業したビスポークメゾンです。1925年にロンドンに支店を出しました。1925年以降、靴のインソックには上の画像のように『ロンドン』の文字がスタンプされますので、この靴の製作は1925年以前ということになります。ロイヤルワラントが二つ見えます。どこの王室でしょうか?

アウトソールの革もしっとりしていて、オークバークを使ったものと思われます。。

ハンドウェルトの凹凸が見られます。ライニングは茶色に着色された薄手のものです。

この靴のブナ製のシューツリーも精巧で素晴らしいです。

中をくりぬいて軽量にしており、まさに工芸品です。

例に漏れず私は実際に履いていますが、走り回れる雰囲気はありません(笑)。

1925年以前の製作 HELLRTERN & SONS ビスポークローファー

https://muuseo.com/shinshin3/items/431

グリーン参る

こちらはロンドン支店が出来てからの同社の靴です。私のローファーと違い、ダブルソールの男性的なダービーです。

1910年頃のヴァンドーム店の前で撮影された写真です。左隣には、今も私の大好きな「セルッティ」のお店が見えます。恐らくこの靴も写真の時代に作られたものだと思いますが、この写真の中の女性はもうこの世に誰もいないと思うと、何だか切ない気持ちになります。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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    とーちゃん

    2023/03/09 - 編集済み

     美しいです。

     使い捨てを、
    ますます忌避したく
    なります。

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      グリーン参る

      2023/03/09

      コメントありがとうございます。
      この靴は一度も履かれず私のところにやって来ました。折角採寸したのに、注文した方がこの靴を履いて外歩きを楽しむことがなかったのは、何か可哀想な気分になります。
      あまり乱暴には使えませんが、大切に履いてあげようと思っています。

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    グリーン参る

    2023/03/19

    一昨日、「101回目のプロポーズ」を見ましたが、薫さん、ホントに良いところがありませんね。中味も確認せずに『恋人そっくりさん』に簡単にコロッといくところ、残念です。でもイーベイで実物をよく知らないで靴に手を出す私も同じかな?

    それにしても竹内力のイケメンぶりと爽やかさ、素晴らしいです。

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