梅は咲いたか? 船木千舟堂作 梅唐草模様 朱塗丸形煮物椀

初版 2022/12/26 15:47

改訂 2024/12/07 10:52

輪島の船木千舟堂さん製作の「梅唐草 朱塗丸型煮物椀」です。昭和初期のものではないかと思います。

六客のみですが、朱椀に金泥の梅が浮き上がった美しいお椀です。

椀はほとんど使われていない状態です。

お椀は何客か並ぶと、繰り返しの効果もあってさらに魅力が増すようです。

湯焼けは全くなしの状態です。

蓋を平面に置いても狂いがなく、カタカタいいません(粗悪な木地のものだと1年程で歪みが生じてカタカタ鳴ります)。

高台は低めの作り。

美しい煮物椀らしいふっくらとしたシルエット。蓋に比べると胴の梅の数は少なめです。

木地は大変薄いです。

蓋は金泥で描かれた梅の花の密度が高めです。

彫りは全体に丁寧で手間暇が掛かっています。丸い部分は蕾でしょうか。

「唐草」と言っていますが、くるくると細い彫が入ります。

一部深い彫の中に銀泥も入れられています。

共箱は至って簡素なもの。

共紙には朱の特別製の印版が見えます。製作にかなり手間が掛かっているので、特別な注文品だったのたと思います。船木千舟堂さんは今は営業されていないようです。

共紙の図柄にもありますが、おめでたい席にふさわしいお椀だと思います。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

Default