江戸期 久留子紋蒔絵野弁当

初版 2022/12/07 21:40

改訂 2024/11/10 00:36

キリスト教が伝来すると、キリスト教のシンボルでもある「十字架」を家紋に用いたいと思う者が増え、誕生した家紋があります。「久留子(くるす)紋」という名のその家紋は、馬の道具を表した「轡(くつわ)紋」をアレンジした紋です。別名「十字架紋」と言って、その名前の通り「十字架」をモチーフとした紋です。
「くるす」という名前は、ポルトガル語で十字架を「クルス」と言うことに由来しています。キリスト教の伝来と共に武士の間でも改宗する者が増え、それと同時に家紋として用いられるようになりました。

この野弁当は江戸期のものと思われますが、「花久留子」という紋のアレンジと思われます。

五寸ほどの四段重と、酒入のついた長方形の器が一組になったものです。

久留子紋と唐草を配して、稲妻型に模様をつけたデザインです。

器の組み合わせとしてはシンプルなものです。

横から見ると絵柄は一致してはいませんが、黒と沃懸地(いかけじ)の模様が連続しているように作られています。

基本的には草や紋は朱、金、青の三色で作られています。

五寸の重箱。軽度の傷みはありますが、製作から恐らく200年以上経った漆器としては状態はまずまずです。

唐草と紋の大きさもよく計算されています。

取っ手金具も精緻な作りになっています。

久留子紋が鮮やかです。

重箱も薄い作りで狂いもないことから、木地づくりも大変丁寧だったことが分かります。

傷みの激しい黒漆の共箱がこれまでの長い年月を物語っています。禁教の江戸時代にどんな方がこれを使っていたのでしょうか。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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    tomonakaazu

    2024/11/10 - 編集済み

    禁教の前に作られたのか、すでに禁止されてから隠れキリシタンとしてこっそり使うために作られたのか、興味津々です。先月、グリーン参るさんに影響されて明治村を訪ね、さらに長崎にも行って和風でありながら美しい内部の日本の教会をいくつか見学しました。あの場所たちの静けさが蘇る感じです。

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      グリーン参る

      2024/11/10

      是非是非明治村のご感想をお教えください。日本人の作った教会、とっても美しいですよね。

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