愛するブランドの、余りにも哀れな末路
初版 2020/08/12 22:09
改訂 2023/04/06 11:45
私が愛用しているスピーカーを製造した株式会社アイデンは、1984年5月に倒産しました。
こういった機械類のファンにありがちな話ですが、
「こんな優れたものを作っていた会社が、なぜ潰れてしまったのか?」
と、どうしてもその理由を知りたがるものです。
そうして調べているうちに辿り着いたのが、大判例の東京地方裁判所の判決です。
![](https://d17x1wu3749i2y.cloudfront.net/uploads/2020/08/12/21/39/56/9ed89f16-0b0a-4c8a-bd72-f0b5486eab2b/0d40a5e4a645fc6b96e767d64ac0878e-converted.jpg)
なんと当時の代表取締役が実刑判決を受けていました。
どうやら1972年オイルショック以降、経営が悪化し続け資金繰りに窮した結果、見せ金作りための詐欺に走ったようです。
文中の『アイデンの経営状況の推移』によると、昭和51年度(1976年)以降はほぼ毎期赤字で、昭和56年度以降更に悪化し、内部留保の取り崩し等で辛うじて経営を続けていたとのこと。
もっともそれは音響事業部の問題ではなく、官公庁の仕事を主としていた照明事業、特機事業によるものだったようですが。
ということは、1973年のアイデン音響部門の自社ブランド立ち上げは、業績悪化に伴う打開策の一つとして持ち上がったとも考えられます。
なんともはや・・・。
素晴らしい名機の数々が産み出されていた、その裏側。
知らなくても良かったのかもしれません。
#参考
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