羽佐間道夫『90歳現役声優 元気を作る「声」の話』を読む
初版 2023/10/23 19:18
御年90歳になられた羽佐間道夫さんの自伝が出たというので買ってきました。
ユーモアたっぷりな羽佐間さんの著書なので、すらすら面白く読み進めていたのですが、ある章内での
「私に会うたび「お前なんか役者じゃない」と言ってくる同世代の男がいた」
というくだりに吹き出してしまいました。
というのも、その"ある役者"とは私が大尊敬し心酔して止まない某氏のことじゃなかろうか、と直感的に思ったからです。
(その後に、「その役者は息子も役者で~」と続いていたので確信に近いものがあるのですが)
さて、吹き替えファンの方の中には「この人とこの人はどうも(芝居の)相性が悪いなぁ」と感じる場面があるんじゃないかと思うんですが、私が愛する某氏と羽佐間さんが正にそれで、共演作を見るたびに
「この二人、ホント芝居が嚙み合わないなぁ」
と昔から感じていました。
(恐らく羽佐間さんファンもそう感じていたのではないかと思います)
これについては漠然とした言い方になるのですが、「二人が目指して登った山が違った」のではないかと思っています。
同じように同時代を役者として活躍しながらも、「役者としての高み・理想」として目指した山頂が違い、双方共に頂に近いところまで到達しながら違う景色を見ていたのではないか? と想像するのです。
(そもそもナレーションも百戦錬磨の羽佐間さんと、かたやナレーションは苦手と公言していた方が同じ種類の役者であるわけがないのですが)
90歳を過ぎてもなお現役バリバリ(お声も全然変わらないのが凄い!)の羽佐間さん、まだまだ業界の長老としてご活躍されることを期待しております。