ODEON レーベルについて

初版 2024/06/04 21:33

改訂 2024/06/07 00:10

 映画「シンドラーのリスト」を観ていて、ユダヤ人が選別されるシーンで流れたSPレコード、それが<オデオン・レコード>だった。ビートルズのレコードで初めて知った<オデオン・レコード>について知りたいと思い調べてみた。

 <オデオン・レコード>は、1903年ドイツで設立されたレコード会社。社名は、フランスにある「オデオン座」に由来する。元はパーロフォンと同じドイツのカール・リンドストレーム社のレーベルで、後に英EMIに買収された。

 「ODEON」は古代ギリシャ・ローマにおいて音楽堂を意味し、<世界のオデオン・レーベル>はドームと柱がデザインモチーフになっている。フランス、オランダ、スペイン、ブラジル、ペルー、アルゼンチン等世界中で発売されてきたが、国、また時代によってデザインが異なっている。

ドイツ SP盤

オランダ

スゥエーデン

コロンビア

ブラジル

フランス

スペイン

 日本では1960年代に東芝音楽工業からビートルズを初めピーターとゴードン、ディヴ・クラーク・ファイヴ、クリフ・リチャードとシャドウズ、アニマルズ、ヘレン・シャピロ等、多くのブリティッシュポップス・アーチストのレコードが<オデオン・レーベル>で発売されている。

 <世界のオデオン・レーベル>を見ていて日本は特異のデザインであることに気がついた。

 東芝音楽工業のディレクターで、日本でのビートルズ人気を仕掛けた高嶋弘之が、洋楽担当としてビートルズを 売り出すにあたり、当時の東芝音楽工業にあった<エンジェル・レコード>などの既存の洋楽レーベルではグループのイメージに合わないと考え、世界中の EMIが擁したレーベルから探したところ、この時点で日本では設立されたばかりで、特定のアーティストの色も付いておらず、響きも良かった<オデオン・レ コード>を、ビートルズのレコードに使用するようになった。

 高嶋は<日本のオデオン・レコード>は、日本で「独自に作った」「適当につけた」もので、海外での<オデオン・レーベル>と、日本とでは「ロゴの形も扱う音楽も全然違う」、「日本のオデオン(レーベル)はあっち(海外)とは無関係に独自で発展したもの」と後年になって証言しているが、前出の通り、<日本のオデオン・レコード>はビートルズの日本でのデビュー前に既に設立されており、実際には諸外国の<オデオン・レコード>の扱いに準拠したものと考えられる。(Wikipediaより引用)

 高嶋弘之氏は著書「ヒットチャートの魔術師」の中で、東芝音楽工業がEMIをの発売権を獲る以前、3大レーベル<パーロフォン><HMV><英コロムビア>のうち<HMV>は日本ビクターが、<英コロムビア>は日本コロムビアが商標登録していたため、EMIポピュラー部門を<エンジェル・レーベル>しか使用できなかった。その後<英コロムビア>が日本コロムビアから東芝音楽工業に移行した時、地味な<エンジェル>ではなく、心機一転気分一新でレーベルを<オデオン>に変えたと言っている。

 ビートルズの<オデオン・レコード>しか知らなかった世界の裏側で、<オデオン>に込めた新しいウェーブが渦巻いていたとは……。 高嶋氏の日本の<オデオン・レコード>に対する強い意気込みに感動した。

1950年生まれのレコード大好き人間です。レコードとの最初の出会いは、保育園のお遊戯でした。手廻しの蓄音器で落とすと割れるSP盤でした。それから50年代 60年代 70年代 80年代 90年代 2000年代 2010年代と音楽もメディアも目まぐるしく変わりました。変わらないのは録音された音です。その時、その場所の空気感がいつまでも残っています。それは本当に素晴らしいことだと思います。私はそれ程音にこだわる方ではありません。無理をしないで好きなものしか買いませんでしたので、一貫性がなく支離滅裂の部分もあります。退職を機会にそろそろ終活のため整理をしようと思っていた時、「ミューゼオ」と出会いました。皆さんのように早いアップはできませんが、マイ・ペースで展示していきたいと思います。お時間がある時覗いてみて下さい。

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    Nobuaki Sugiura

    2024/06/05

    作成中に保存したつもりが公開してしまったようです。またきちんとして公開しますのでお許し下さい。

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