コレクターとマラドーナ
初版 2020/11/29 09:56
改訂 2020/11/29 21:54
今回はこの悲しい話題を避けては通れません。
ご存知の通り、ディエゴ・マラドーナ氏がお亡くなりになりました。
脳血腫手術のニュースは気になっていました。
ただ、成功したと聞いていただけに、この展開は予想していませんでした。
今の気持ちを一言にまとめるとこの言葉に尽きます。
「俺、こんなにマラドーナ好きだったのか。」
今回は尊敬の念を込めて、彼の偉業を振り返りたいと思います。
マラドーナとの出会い
彼との出会いは1986年、FIFAワールドカップメキシコ大会。
あの伝説の一戦、準々決勝イングランド戦です。
Jリーグが存在しない当時のサッカー観戦の中心は、年末のトヨタカップと正月の天皇杯決勝。
少年時代のmemorabiriazは「ワールドカップ」という未知のコトバに、ドキドキしていました。
大会の注目は前年のトヨタカップで幻のゴールを挙げたプラティニとジーコで、私は「将軍」のフランスを推していた記憶があります。
両者が直接対決する6月21日から友人宅にお泊まり観戦し、その翌日に観たのがアルゼンチン×イングランドでした。
件のとおり観戦数の蓄積が少なく、選手の比較基準が育っていない時代。
そんな少年でも、マラドーナの「5人抜き」だけは本能的に「違う」と分かった。
4分前の「神の手」で悶々としていた直後だけにインパクトは絶大でした。
ただし、「スポーツマンはクリーンであるべきだ。」と考える、正義感溢れる当時のmemorabiriaz少年の中には、
ウマさよりもズルさで初期のマラドーナ観が形成されることになります。
アンチマラドーナの時代
「ズルいマラドーナは、許すまじ!」
1990年代はそのマインドを満たしてくれるアンチテーゼ的存在を探す旅でした。
サッキとオランダトリオのACミランしかり、R・バッジョのイタリアしかり。
でも、論理的に考えればおかしいでしょう?
バッジョが好きで、マラドーナが嫌いだなんて(笑)。
そもそも、ファーストコンタクトがあの試合。
いまだにドリブラーが好きですし、
マラドーナの影響をバリバリに受けている。
それなのに、私は負の側面ばかりを忌み嫌っていて、
プレーヤーとしての正の側面から目を背けていた訳です。
彼のプレーを純粋に愛する同世代の少年達は、
マラドーナを真似しながらプレーヤーの道を歩みました。
へそ曲がりの私は彼にブーイングを飛ばしながらも、
サカつくではD・マルドラドを、コレクションでは彼のオートを収集するという矛盾を抱え続けることになる訳です。
マラドーナの印象が変わった。
そんなマラドーナの印象が変わったのはここ10年です。
SNSのおかげで、彼が世界中を旅する姿を拝めるようになりました。
どのクラブでも、選手が我も我もとサインやツーショットをおねだりしてる。
そんな若手を、両腕を広げて抱きしめる好々爺ぶりがたまらなく可愛いのです。
おかしな話ですよね。
彼のパーソナリティを嫌っていた私が、
彼のパーソナリティを愛しているんですから。
それから録画やYouTubeで、彼のプレイをじっくり見返すようになり、
あらためて、マラドーナがサッカー界の至宝であることを実感するようになりました。
ペレか、マラドーナか、それとも。
ルールや戦術を含め、スポーツは時代ごとに変質します。
人間は自分の魂が揺さぶられたものを愛する動物なので、
リアルタイムで見ていない選手には共感しづらいものです。
よって、GOAT論争自体は無意味なものと感じています。
今ならば、メッシでしょうか。ロナウドでしょうか。
未来はムバッペ?ハーランド?まだ見ぬ天才かもしれません。
お気に入りの選手を愛し続ければ良いと思いますが、
マラドーナもぜひ愛し続けていただきたいと思います。
今夜、私が揺さぶられた伝説の一戦が再放送されます。
もし、マラドーナのプレーを観たことないサッカーファンの方がいらっしゃったら、ぜひご覧ください。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b0dba35e38564f5868b01eab4d0c3fc659a7b328
最後に一言。
「ディエゴ、ありがとう!安らかに!」
本日もありがとうございました。
memorabiriaz
memorabiriaz
2003年からフットボール・レジェンドのオートグラフ収集を開始。「直線」「曲線」「点」が織りなすデザインの美しさと、同一人物でもふたつと同じ筆致を生み出せない単一性に強い関心を持つ。バロンドール受賞者やワールドカップ出場選手を中心に「オートグラフ・タイポロジー」に取り組んでいる。
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mj0129
2020/11/29とても残念です。もちろん、再放送は録画予約してます。メキシコ大会はマラドーナの大会でしたが、バルダーノ、ブルチャガの攻撃陣がすごかった印象です。日本はまだ出場すること自体が夢だった時代。ジーコ、カレカ、ソクラテス、プラティニ、ジレス、リネカー、マテウス、ルンメニゲ、リトバススキー、シーフォ、ブトラゲーニョ、ラウドルップ、そのほか、挙げればきりがない、スーパースター達のゲームに熱狂しました。俊輔のセルティック時代の監督、ストラカンのゴールも覚えてます。個人的にベストゴールは、モロッコ戦で壁の右を巻いた、マテウスのグラウンダーのFK、ベストゲームは、ブラジル-フランス戦です。
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memorabiriaz
2020/11/29コメントありがとうございます。本当にどの選手も懐かしいですね。いずれ書きますがラウドルップ、好きでした。ブルチャガで思い出しましたが、数年前、このイングランド戦にフォーカスしたNHKスペシャル?を録画していたはず。再放送前に見てみます。
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mj0129
2020/11/29兄弟でイケメン。わたしも好きでした。デンマークは、1時リーグで、西ドイツに勝って、大注目でした。
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memorabiriaz
2020/11/29決勝ゴールとなったマラドーナからブルチャガへのラストパス、いま3回再生しました!(笑)
4人がいいね!と言っています。