アイテム解説の補助線「Streamline Dragster」

初版 2024/09/07 08:26

改訂 2024/09/08 21:38

以前こんなミニカーを

紹介したことがあります。

Hotwheels MADFAST (2023 TH)

https://muuseo.com/kaikai/items/436

kaikai

この文中において

"Streamline Dragster"

に似ていると書いたのですが、

そもそもそれって何?というのを

自分用の備忘録も兼ねて

ここに書いておきます。

前提としてDragsterとは

何なのかと言いますと、

ホットロッド文化の中で生まれた

ドラッグレース、ゼロヨン

特化型のレースカーのことです。

MPC "MORE AMERICAN GRAFFITI" JOHN MILNER'S DRAGSTER

https://muuseo.com/kaikai/items/618

kaikai

骨組みのような細い車体に

V8エンジンを乗っけた

独特の形状が特徴。

現在はリアエンジンが主流ですが、

元々はフロントエンジンでした。

当初は

ホットロッドのセオリーに倣い

取れるものは全て取り去るのが

カスタムの鉄板だったのですが、

パワーソースや軽量化だけでなく

空力を活かそうとした開拓も

進められていました。

MPC COSMIC CHARGER

https://muuseo.com/kaikai/items/194

kaikai

こうして実現したのが

フレームを流線型のカウルで覆い、

前や後ろのタイヤにカバーを付けた

独特なルックスのドラッグマシン、

Streamline Dragsterです。

車体が受ける空気の流れを

ダウンフォースによる

トラクションの増強であったり

直進安定性の強化に用いる

というコンセプトをもっています。

JOHNNY LIGHTNING MAGMAs T'RANTULA

https://muuseo.com/kaikai/items/271

kaikai

ドラグスターの歴史において

かなり早い段階から

こうしたマシンは存在しましたが、

ちょうどエンジン位置が

フロントからリアに変わる

1960年代の中期頃に

このブームは最盛期を迎えます。

まだ私のコレクションには

ありませんが、

1970年頃にドラッグレースの王者

Don Prudhommeや

Tom McEwenらが駆った

ウェッジ・ドラグスターは

この系譜に連なるマシンであり、

ミニカー・プラモデルにもなった

非常に有名なマシンでもあります。

(https://www.motortrend.com/features/drag-racings-twilight-zone-streamline-dragsters/)

↑この記事の大部分を意訳して

このLabログを書いてるので

気になったら見てみてください♨︎

このようにして栄えた

ストリームラインですが、

現在のドラグスターを見れば

分かっていただけるように

今やウイング以外の空力装備は

殆ど見られなくなりました。

流麗な見た目とは裏腹に

過剰な空力装備は車重の増加や

気流の不安定化という

逆効果を招く羽目になり、

時代の徒花として消えていき

主流にはならなかったのです。

さて、

改めてMAD FASTを見てみますと。

軽量化の観点から言って

まず無意味なバブルキャノピーや

タイヤ前後のガード、

曲面中心のうねるような造形。

Streamline Dragsterの系譜

と言われれば

そんな感じがしないでもない…

あながち荒唐無稽な

コテコテ謎車とも言いきれない

不思議な魅力がある気がします♨︎

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kaikai

平成少年ボーイ。

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