プレス・マーク(PM)の目的とルーツ(推測)

初版 2023/01/15 06:51

改訂 2023/01/15 10:47

プレス・マーク(PM)の目的

  • 目的は、レコード・メーカーとしての品質管理だったのではないかと考えています。
  • 例えば、不良品が特定の月に集中するような場合に、その季節特有の現象面から原因を割り出して行くといった手法は、ずっと後の世の半導体製造の話としてもよく耳にしました。
  • そういう意味では、東芝が盤質にこだわりを持っていたということなのでしょうし、1960年代に、本国ドイツ盤との盤質の違いをうるさく言われたグラモフォン社にもPMがある、というのは納得し得る話です。

プレス・マーク(PM)のルーツ(ラジオ・TV向けの真空管製造年月コード)

  • 東芝が電機メーカーであったことから、レコードから少し離れて、電機系の製造管理等で、PMに相当するようなコードがあったのではないかと考えました。色々と調べていて見つかったのが「ラジオ・TV向けの真空管製造年月コード」というものです。
  • このコードは、真空管の不良品対策や歩留まり管理用として、1958年頃に各社共通コードとして制定されています。
    が、一般消費者に対して製造年月を明かすということは、メーカーにとっては好ましくなかったため、一部の大口顧客に対してのみ、このコードを付けて製品出荷していたようです。
  • で、そのコード体系ですが、「数字1文字」+「アルファベット1文字」で、数字は年号(西暦の下1桁),アルファベットは月でA~Lで1月~12月を表す、となっています。つまり、PMとの違いは「I」を含むか否かという点だけで、全く同じということです。
  • 共通コードということで、東芝をはじめ、松下,日立,三菱などが、このコードを使っていたようです。
  • 更に、通信用管(上記「ラジオ・TV向けの真空管」とは、別になっているようです)の分野では、各社各様の製造コードがあったらしく、それらの中には、PMのタイプ2と同じ体系を持つものあります(NEC系)。
  • 恐らく、この辺りがレコードのPMのルーツになっているような気がします。
  • 参考にした資料が、今でも見ることができるので、リンクを貼っておきます。

ラジオ・TV向けの真空管製造年月コード

国内盤アナログ・レコード(1950年代〜1960年代〜1970年頃)のデータ・ベース(リスト)を作成しています。
(国内盤レコードDB)
ジャンルはオール・ジャンルで、フォーマットはExcel ファイル(xlsx)です。
現在仮開示しているのは、
日本グラモフォン
東芝
日蓄工業
日本ウエストミンスター
日本ディスク(1950年代)
日本マーキュリー(1950年代)
ユニバーサル・レコード(1950年代)
日本コロムビア
キング・レコード
です。

2024.07.08 テイチク・レコードを追加しました。

今後、随時追加していく予定ですが、時間はかかります。

ダウンロードして自由に使って頂いて結構ですが、同時に開示している説明ファイル(ワード文書 or リッチ・テキスト)を
よくお読みになってください。また、現段階ではあくまでも仮開示であり、完成形ではないことにもご留意ください。

https://1drv.ms/u/s!ApINowI3ybkacrP3M_GV7wSe6j0?e=67lDy2

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  • 真空管や電球に「マツダ」と「東芝」ロゴがあるのは認識してましたが、昭和34年を境に変わったと知りました。貴重な資料ありがとうございました。

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