我が青春のGTO。
初版 2019/04/08 21:49
改訂 2019/04/09 13:27
ブラーゴ。1/43 フェラーリ・288GTO。
まだ平成も半ばの頃、実家の有る街のドライブインのゲームコーナーの景品で当てた、初めて手に入れた1/43スケールのミニカーがこれだった。
当時は全くミニカーには興味が無かった私が暇潰しにドライブインのゲームコーナーのクレーンゲーム?だったかの景品にこれが並んでいるのを見掛け、確か300〜400円使って取った記憶が有る。
チャチなホイールの造形やボディーの塗膜の薄さからしても、これが安物のミニカーな事は何と無くミニカーへの知識の無い当時の私ですら分かった。
だが、そんな粗を差っ引いてもこのミニカーの醸し出す造形の良さは、実車のフェラーリ・288GTOにすら無知だった私にもビンビン伝わってきたのだ。
何とかしてこのミニカーが欲しいと思い、100円玉を投入してゲーム機に向かった私は、幸いにして300〜400円の投資でこのGTOを手に入れた。
ゲーム機の景品取り出し口より掴み出した安っぽい紙箱の中に入れられたGTO。
それはとても神々しく見えた物だった。
現在の視点で見ても、まだイタリアンメイドだった時代のブラーゴの安価な子供向けミニカーの288GTOは素晴らしいプロポーションだと思う。
このミニカーの何倍も高価なミニカーと比較しても、このブラーゴのGTOのプロポーションは全く引けを取らない。
そして手に入れたGTOは実家の書棚に陳列していた。
ある日当時つるんでいた友人が私の実家に遊びに来た時に、このGTOのミニカーを見て「おっ!288GTOじゃん。これ安いミニカーなんだろうけどスゲェスタイルは良いなあ!」と呟いた。
その友人は無類のクルマ好きなヤツで、私に「お前ってクルマ好きだったっけ?」と訪ねてきた。
私は当時は国産の旧車には興味が有った物の、輸入車にはまだそこまで興味が深くは無かった。
そんな私の部屋にこのブラーゴのGTOが鎮座していたので、友人にはさぞかし不思議に感じた様だ。
それから、友人は実家の私の部屋に来ると度々このGTOのミニカーを手に取り、このGTOの何たるかや、洋車の魅力を私に教授した。
そんなクルマ好きな友人にすっかり感化された私は、実家の隣街に有る高級輸入車ショールームに飾られていた本物のランボルギーニ・イオタSVRを眺めにクルマで出掛けたり、何時の日にか購入する気で輸入車ショールームに色んな輸入車の試乗に出掛けたりもした。
勿論フェラーリ等は買える訳も無いので、フィアットやらローバーやら見に行ったり、珍しいクルマを所有されている人の自宅の駐車場に停められたクルマを見に行ったりと、今考えるとちょっとヤバい若者達と言った様な事も楽しんでいた。
酒の飲めない友人は、音楽とクルマをこよなく愛していた。
やがて月日は流れ、私も結婚して子供が生まれ、その友人にも少し遅れて伴侶が出来て子供が産まれた。
お互い暇で金も大して無かった頃は毎日の様につるんでいたが、互いに家庭を持ち仕事に追われ多忙となり、段々と疎遠になってしまった。
その後私はその頃住んでいた名古屋から長崎に住まいを移し、その友人とは全く疎遠となりそして現在に至る。
風の噂によれば、彼の家族ももう名古屋には住んでいない様だ。
まだ知らない世界だったクルマの魅力とロックの魅力を私に教えた友人がかつて誉めたブラーゴの288GTOのミニカーは、まだ幼かった長男の遊び道具となり、見るも無惨な姿と成り果ててしまい廃車となった。
長崎に越して来てから、当時とても気に入っていたブラーゴの288GTOのミニカーが恋しくなった。
今はネットオークションサイトと言う便利なツールが有る。
当時気に入っていたブラーゴのGTOと全く同じイエローのボディーカラーのGTOをオークションサイトで見付けた私は、迷い無くポチった。
程無く届いたGTOは、もう当時と全く同じ物だった。
薄い水色のウィンドウガラスに、ベージュの内装。
安っぽいホイールに薄っぺらいイエローの塗装もそのまま。
このイエローのGTOを手にすると、何だか失った輝いていた時を取り戻した様な気持ちになった。
それから又本格的にミニカーのコレクションを再開した私だが、今でも数あるミニカーの中でもこのブラーゴのイエローのフェラーリ・288GTOは光輝き続けている一台だ。
例え当時手に入れたその物では無くとも、このブラーゴの288GTOは特別な一台だ。
このミニカーを手にする事が無ければ、きっと今頃はミニカーコレクション等は興味も無くなっていた事だろう。
その後手に入れた特別なミニカーが何台も有る。
でも、私の青春の思い出が一杯詰まったミニカーはこのブラーゴの288GTOだけだ。
今は疎遠になってしまった友人も、長男の遊び道具となり天寿を全うした当時のイエローのGTOも今は昔の事。
だけども、このブラーゴのGTOを手に取れば直ぐにあの頃に戻れる。
間違い無くこのGTOのミニカーは、私の人生の「青春の引き出し」の鍵だ。
たった一台のミニカーとの出会いがその後の人生に多大な影響を与えた。
興味の無い人からすれば、きっと下らない事象に過ぎないだろう。
だが確かに私の人生の「キー・アイテム」として、これからもこのブラーゴのイエローカラーのフェラーリ・288GTOは私の人生の終わりの日まで、あの青春の思い出と共に何時までも疾走し続けるのだと思う。
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TWIN−MILL
2019/04/08私も288GTO は好きな車です😁👍。
ブラーゴはおもちゃ感はありますが、プロポーションは良かったですね!同じ赤色の288を所有してますが、カナリアイエローもカッコいい(実車でもクラブイタリアの1台だけ存在していたような。。。)👍。
自分も学生の頃、ポルシェ好きの友人と良く連んで遊んでました。その友人からポルシェの事を色々と教わり、現在の糧にもなっています。と、言っても私の友人も現在は疎遠です。
元気にやっているのかなぁ。ポルシェを所有していると、なんか嬉しいんだけどなぁ😊。
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MOYO.
2019/04/08TWIN-MLLLさん。コメント頂きまして有り難う御座いますm(__)m。
赤色の同じGTOを所有されているのですね!
ホントにこのブラーゴのGTOはスタイルの良さが格別ですね(笑)。
同じブラーゴのF40も中々のスタイルですが、このGTOには敵いません(笑)。
クルマ好きな友人がその後の人生に与えた影響が多大な物だった方は、多分沢山みえるのかもしれませんね(笑)。
TWIN-MLLLさんもポルシェ好きな友人さんの影響で、今のミニカーコレクションに至る事になったのであれば、その友人の影響はさぞかし絶大な物だと思います(笑)。
一台のミニカーを通じて、遥か遠い日の思い出や旧友の事を思い出すのは、その物に込められた思いが何時までも色褪せる事が無いからだと思います。
TWIN-MLLLさんも私もお互いに何時の日にか人生に多大な影響を与えた旧友と再会したならば、「ありがとう」と一言伝えたいですね(笑)。
今はこのMUUSEOの皆様に多大な影響を与えられている私です(笑)。
有り難う御座いますm(__)m。
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0214seiji
2019/04/09ミニカーとしても貴重な車ですね。
1999年にマテルがライセンス独占契約
(大人の事情ってヤツ)する前の288GTOの1/43モデルは制作メーカーが少なくて、
今では探すのは大変です。
確か現在はブラーゴを持つグループがライセンス契約していますね。
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MOYO.
2019/04/090124seijiさん。コメント頂きまして有り難う御座いますm(__)m。
確かに現在のブラーゴは、かつてのライバルメーカーであるマイスト社に吸収されてしまいましたね。
おまけに、このGTOをリリースしていた頃の金型はもう廃棄?してしまったのか、新たに中国生産となってからのブラーゴブランドの1/43スケールのミニカーは、それまでのイタリアンメイド時代の物とはまるで異なる形状となってしまいました。
そう言った意味では確かにこの288GTOは貴重な物となってしまったのかもしれません(^_^;)。
思い出の一台としてのこのブラーゴのGTOは、私が生きている間のこれからも大切に保存していきたいと思います。
有り難う御座いますm(__)m。
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