アギラは賢いの?

初版 2024/05/12 23:28

改訂 2024/05/13 00:14

せっかくのアギラの日なので、「アギラは賢いのか」という問題について考えてみたいと思います。
 残念ながら、昔から「アギラ=アホの子」イメージは強いのですが、その理由は何なのか、そしてそれは正しいのかを考察してみましょう。

1.昔の怪獣図鑑の話
 昔の怪獣図鑑には、確か「ウインダムの弱点は額、ミクラスの弱点は電気、アギラの弱点は知能的作戦」と書いてありまして、これを見るたび少年時代の私は「いやいやいや、その言い方は酷いだろう」と思っておりました。
 だって、「ミクラスはエレキング戦で100万ボルトの電流喰らってダウンしたから電気が弱点」ってその理屈はおかしいでしょ。ネロンガの放電光線を胸板で跳ね返すマンさんや、100万ボルト喰らっても数秒ピヨるだけのセブンさん基準で考えちゃいけないわけで、むしろ死ななかったんだからミクラスは電気に強いといって欲しいぐらいではないかと。

 同様に、「アギラは46話でにせセブン見て戦意喪失したから、知能的作戦に弱いアホの子」という理屈もおかしいと思うのです。
 アレは明らかに「アギラはアホなので、本物のセブンと見分けができずに騙された」状況ではありません。「アギラは賢いので、相手がセブンと同等の力を持つと見抜き、まともに戦ったら秒殺されると判断した上で、なんとか時間稼ぎをしつつ生き延びようと最善を尽くした」状況じゃないですか。
 結局にせセブンはビームもアイスラッガーもなんとなく使わずに終わってしまい、アギラは崖から落とされる程度で済んだわけです。ちゃんと「時間稼ぎ」というミッションにも成功して生還しているのですから、ある意味とても上手に立ち回ったわけです。
 なんだったら、アギラを舐めてかかってまんまと時間を稼がれたにせセブンや、結局最後までセブンの見分けができなかった地球人やサロメ星人より、むしろ賢かったと思うのですよ。



結論:アギラは(アホの子じゃなくて)賢い。

2.『ウルトラファイト』の話
 『ウルトラファイト』でお馬鹿っぷりを見せているのも「アホの子」説の一因かもしれません。でもアレ、セブンも大差ないバカだしなぁ。
 思うに多分アレは、セブンもアギラもまだ若くてヤンチャしてた頃の話なんじゃないかと思うんですよ。敵味方に分かれて、顔を合わせた途端に殴り合うって、「□イ&□ー」とか「□京□ベンジャーズ」とかの感覚じゃないですか。
 逆説的に言えば、つまりアギラの知能は親分子分敵味方の概念が理解できるぐらいはあるということです。怪獣としてはまあハイな方と言えるんじゃないでしょうか。

結論:アギラは(ヤンキー高校生程度には)賢い。

3.ウルトラセブン エピソード0の話
 一番困るのが、武上純希先生による平成セブンのノベライズ小説『ウルトラセブン エピソード0』です。
 最終話「わたしは地球人」の中で、セブンはノンマルトの守護神獣ザバンギに対してミクラス・ウインダムを向かわせるのですが、武上先生はこのシーンでセブンに「アギラは知性がないから他の二匹と連携が取れないので出せない」と言わせているのです。
 さて困りました。実は『ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』やら『ウルトラマンデッカー』やらでは、3匹が共闘しています。平成セブンでも映像版にはない、小説だけの台詞なんですね。だから無視してもいい気もするのですが、ここはなんとか「武上先生の妄想」でごまかさずに説明をつけたいところです。

 そこで平成セブンを改めて見ると、なんかミクラスとウインダムになんかやたらと違和感があります。二匹とも体のバランスやら細部の模様やらが昭和版と違うのです。
 そこではたと気づきました。これは同種族の別個体なんじゃないかと。
 アギラもそうです。昭和アギラにあるエリマキの折れが銀河伝説アギラにはありませんし、いつも眠そうな目の昭和アギラに対して、銀河伝説アギラの目は輝いています。体色だって銀河伝説版は健康的に日焼けした感じです。

 〇ケモンでも〇ビスタでもいいんですが、トレーナーが最後にハマっていくのは「育成」なんじゃないでしょうか。繁殖させ、優れた才能を厳選し、トレーニングしてレベルを上げ、強いキャラに育てていく。
 セブンもそうだったんじゃないでしょうか。

 使い慣れた3種にこだわりつつも、繁殖させたり厳選したり育成したりしてたんじゃないでしょうか。〇トシさんがケンタ〇スを大量に持ってるみたいに、M78星雲でミクラスの大量飼いと厳選をしてたんじゃないでしょうか。ミニ四駆みたいに、ウインダムのサーボモーター交換してドリルで肉抜きしてるとか……。
 で、その涙ぐましい努力の結果が、『ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』でのカプセル怪獣大勝利につながったのではないか、と。

 さらに、3種とも違う星出身の別生物ですから、当然成長の速度は違うはずです。一般的に、賢い動物ほど成長は遅い傾向があります。

 アギラは育成がまだ始まったばかりだったのか、または成長速度が他の2種に対して遅かったのではないでしょうか。

 そしてアギラがまだ幼生体、人で言えば幼児だったとすれば。当然知能も未発達で、連携を取って戦闘するのもまだ無理なわけです。そう考えると、色々他のことにも辻褄が合うわけです。
 

結論:エピソード0の時のアギラは 

多分まだこんな感じだったのでしゃーない。

(ウルトラマン超闘士激伝 完全版 5 (原作;瑳川竜 作画;栗原仁 )より)

4.おまけ

 あ!激伝のアギラ、筆談できるじゃん。

結論:やっぱりアギラは賢い。あと可愛い。

カプセル怪獣アギラが好きすぎる人です。

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