またまたスコットランドの戦車を…(その1)…の巻
初版 2020/08/02 23:38
改訂 2023/08/05 11:29
ちょっとRCタンクのマイブーム来てますw
前回予告しましたとおり、次のラジコン戦車はこちら、、、
タミヤ1/35のクロムウェル巡航戦車です。
比較的新しめのラインナップ(※昔子供の頃に作っていたMMシリーズと比べ…という意味で)からのキットですが、元の戦車がシンプルな形なのでキットもシンプル気味で作りやすそうです。
これは、最初は普通にディスプレイモデルで作ろうかと思っていたのですが、懇意のRCタンク職人さんが「クロムウェルをちょうど今試作してます。」というので、「あ、それ譲ってください。」と買い取ることになりました。
現在、タンク屋さんのところで車体のRC化が進行中でアリマス。(以下、進捗報告で写真を頂きました。)
下回りだけだとT34みたいですね。
それもそのはず。どちらも同じクリスティ型サスペンション、大径の転輪が特徴的ですね。
さて、このクロムウェル巡航戦車、ただのRC化だけではありません。
ナント!
実際にトーションバー化されてサスペンション可動!
たぶん来週くらいに届くでしょう。楽しみ楽しみ。それまで、また考証を深めて遊ぶことにします。
まずは、お決まりの「どの部隊の車両にしようか?」という、とても楽しい悩みに直面するわけです。
(ここからが長いです・笑)
スコットランド系の部隊に限定しているので、実はけっこう選択が難しい時があります。
クロムウェルが配備された大戦後期の時期は、かなりの数のシャーマンが米国から導入されており、そっちを使っている部隊の方が多い感じでパッと思いつく対象は少ないです。
まず思いつくのが、先日スチュワートを製作した第2ファイフ&フォーファー義勇農騎兵連隊(2FFY)ですが、大戦末期にコメット戦車になる前にクロムウェルを運用していまたと思われますが、でも同じ部隊と言うのもつまらないので、、、別のにしますかね…。
お次の候補はこちら。
オスプレイの日本語版ですが…
これのマーキング・イラスト集に出ておりますコレ、、、
2FFYの兄弟連隊の第1ファイフ&フォーファー義勇農騎兵連隊(1FFY)です。
しかし、こいつはクロムウェルではありません。
セントー巡航戦車です。そのMk.1、タイプAの車体です。(※“タイプ”については後程…)
セントーのミーティアエンジンを新型のロールスロイス・マリーン・エンジンに替えたのがクロムウェルなのです。
なので見た目はほぼ変わりません。
主砲がキットの75mm砲ではなく、43口径の6ポンド砲Mk.3です。
このパンダの顔のカワイイ?(怪しい?笑)師団マークは第9機甲師団、1940年12月に英本土で編成され、そのまま外征せずに1944年7月に解散した機甲師団。このため、英本土で訓練している部隊写真はよく見ます。(パンダのマークなのですぐ分かります)
洋書WARPAINT誌より。
問題その1:
→パンダのマークのデカールが無い。。。
手書きで書くか、写真用紙に印刷して
表面を薄く剥がしてデカール代わりに
使うか…?
パンダの顔が白なので、我が家の普通のプリンターでは手作りデカールが作れません。手書き…????
問題その2:
→車体がセントーです。
しかもタイプAなのでクロムウェルの
キットの車体と違う。。。
セントーとクロムウェルは、基本的にエンジンの違いだけなので同じタイプの車体どうしなら外見は同じなのですが、タミヤのクロムウェルはタイプCの車体。
そしてこのイラストのセントーはタイプA、、、
大きな違いは前方銃手のハッチの形状です。
タイプAのハッチは上方に開きます。(※しかし、その写真や図面が無い!いっこうに写真も見つからず、、、なので改造できず。)
タイプCは、このキットのとおり横にスライドして開くハッチです。
ネット上で見つけたどなたかの作例。分かりやすいのでお借りしますが、ハッチがこうして開くわけです。
これは、タイプAだと砲塔の向きによりハッチが開かず、戦闘中に被弾した際に脱出できない例があったそうで改善されたものです。
(でも、タイプCでもキャタピラ上のフェンダーが変形してハッチのスライドの邪魔をし…という例もあったそうで、、、)
この写真はヴィレル・ヴォカージュにてビットマン車(または僚車)に撃破されたクロムウェル。。。タイプCの、車体左前のハッチがスライドして開いてますね。
タイプAの場合はハッチがスライドしないので、フェンダー上のハッチの横にも雑具箱が乗ります。(キットの後期型クロムウェルだと右にふたつ、左にひとつですが、セントーやクロムウェルの初期型のタイプAの車体だと、左右にふたつずつ箱が乗ります。イラストの1FFYの車両もそうなってます。)
ハッチの形状が分からないので、このイラストのそのものの車両にすることはムリ。
ですので、同じセントーのMk.1でも、後期型のタイプCの車体で作ればいいわけで、おそらく主砲は上掲のイラストの6ポンド砲Mk.3(43口径)ではなく、6ポンドでも50口径長砲身のMk.5(Mk.V)だと推測。
ちょうど50口径長砲身6ポンド砲の金属砲身を持っていますから、それに換装すればあとはクロムウェルそのもので作っても、見えないエンジンが違うことにして「セントーMk.1タイプC」と言い張ればいいわけで…。
ということで、候補の1はそんな感じです。
サイドの赤白の味方識別表示が魅力的ですし、パンダのマークだけは課題ですが実現できるとちょっと面白い作例になりそう…。
* * *
次の候補です。
早く読みたくてamazonのKindle版で購入した『CROMWELL and CENTAUR TANKS』、、、これはいい資料本です。
これには当然のことながら豊富に写真や図版が出ているのですが、ことごとく“スコットランド以外”の部隊ばかりです。
1RTR、5RTR、第8アイリッシュ軽騎兵、第2ノーザンプトンシャー…、ウェルシュ・ガーズ(近衛ウェールズ連隊)…、
しかし、ひとつだけ出ていたんです。
スコットランド系につながるヒントが、、、なんども見返してやっと発見!
これは、雄牛のマークで有名な第11機甲師団所属の王立第13砲兵連隊のクロムウェル観測戦車。
砲兵部隊の観測士官が乗る戦車で、主砲はダミー、砲塔の同軸機銃も車体銃も外されています。(機関銃くらい残しておけば…と思いますけど、、、)
※この解説には観測戦車(AOP=Artillery Observation Post)、って書いてありますが、観測戦車には主砲が残され、指揮戦車と司令戦車はダミー砲という解説もあり、そうだとするとこの絵のは観測じゃなく指揮戦車なんじゃないかとも思うんですが…。連隊長車って書いてありますから…。
さて、この第13連隊はスコットランド系ではないのですが、この時期に第11機甲師団には二つの砲兵連隊が所属し、ひとつがこの第13、もうひとつが、スコットランドはローランド(低地)地方のエアシャーで編成された『王立砲兵 第151(エアシャー)義勇農騎兵(野戦砲兵)連隊』(151st (Ayrshire Yeomanry) Field Regiment)なのです。
また登場するのがコチラ。洋書WARPAINT誌。
1944‐45年頃の機甲師団の編成と、その構成部隊のナンバー表です。
下寄りの70番台のあたりをご覧ください。
Fd Regt RA、とあるのは、王立砲兵(Royal Artillery)の野戦砲兵連隊(Field Regiment)と意味し、74番と76番が指定されています。(その下の77番はA/Tkとあり、Anti Tank、すなわち対戦車砲兵連隊です。)
上掲の図版で第13連隊が76番を付けてますから、もうひとつのエアシャー・ヨ―マンリーは「74」番、ということになります。
74番の赤青の部隊番号マークですね。
これならイケそうですね。
機銃を付けずに、砲口のマズルブレーキもダミーっぽく改造し(上記の通り、観測戦車の主砲が生きてたのであればそのままでよい)、アンテナをそれっぽく増設、砲塔両脇に雑具箱を装備すれば「観測戦車」と言い張れるかな…?
その他の中隊マークなどは後日考えるとして、、、(砲兵連隊の部隊マークはなかなかややこしいんです。じっくり解析します。)
エアシャー絡みのウイスキーもありますし、、、作りたくなってきたゾ。
さて、眠いから寝よう。。。今日はここまで。。。
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