5.祭典の光と影
初版 2023/09/12 18:55
改訂 2023/09/12 18:55
イベントとは正に祭りのようである
2005年3月21日(月・祝) 当日頒布物として持ち込まれたのは、事前告知のとおり正に白紙のコピー用紙だった
設営時に大掛かりな執筆デスク、そして印刷機が搬入される
イベント開始まであと10分、用意された白紙は白紙のまま
全て事前の告知どおり30周年記念24耐(!?) コミケットスペシャル4、
開場と共に名前の通り「コミケットスペシャル4 その場本」の執筆作業が開始された
コピー本というものに触れた事はあるだろうか?まして制作に携わることは?
来場者の中には購入側のみ、頒布側のみ、または購入側から頒布側に移動したということもあるだろうか
当イベント24耐は、異例中の異例イベントだった
1日、24時間の間に開場設営と撤収、それどころか頒布サークルの交代まで行うのだ、あの人数の中
前代未聞のスケジュールの中、ひたすらに執筆活動が続き19時を回る頃、最後の1頁が完成する
まだペーパーの状態
さぁ製本 頒布物を求め並ぶ 1頁ずつペーパーを受け取り本として折る、そして中止め 製本に携わるのだ
すべてのコピー紙もとい、コピー本の頒布が完了したときには22時に差し掛る
そしてイベント閉場 大きな拍手が上がる
10時間にも満たない時間において作品を完成させ、煌々と照らし出す会場の照明下すべての頒布を終えた
...光が明るいほどに、自然と影を濃く落とす
何一つ関係の無い私の目にも止まる程なのだから
至極当然のように当事者にも行き届いていただろう
:各月連載って何 執筆遅いんじゃないのwww
:ひとつき空けてもこの程度のページ数かよwwww少なっwwww
:進行遅っそ また番外編かよ、中身ねえのかwww
あぁこれはもう知ってる、これか...また君か...まだ君なのか...
執筆に関与した事はない、当然編集にも全くの無関係
勿論自分に帯しての嘲笑でも中傷でもないなんて分かってはいる
でも、それでも、見えない君はまた笑っている、まだ笑っているのか
何処に逃げても追って来るのか
光の中、自身に責はない、執筆速度に全く非は無い、そう本が示す
何処にも進めないのはいつまでも私だけ
途絶えない拍手は僅かに血の味がした