シェラック盤と文句カード
初版 2021/01/06 11:04
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シェラック盤と文句カード‥‥と言われても理解できなかも知れない。 シェラック盤とは、日本で「SP盤」と呼び習わされているレコード盤のこと。海外では「78(SEVENTY-EIGHT)」とも呼ばれているらしい。
で、何故「シェラック盤」なのかだが‥‥SP盤のSPとは「Standard Playing」を表すレトロニムであり、日本の敗戦後に登場したLP盤に対する語として使われ始めた。LP即ち「Long Playing」である。また海外での「78s」は毎分78回転することによる。で、私が思うのは、このどちらの用語も「帯に短したすきに長し」なのだ。
LP盤登場前にはSP盤とは呼ばれていなかったし、回転数は必ずしも毎分78回転だけではない。そこで、原料と云うか製造方法と云うか、に目をつけて、現在一般的に「レコード盤」と呼ばれている、所謂「アナログ盤」とか「ヴァイナル・レコード」との区別をしてみた。
とは言え、この用語法は必ずしもわたし独自のものではない。ネット上には既にこの用語例も存在する。 私がこのシェラック盤という語にこだわるのは、自身のレコードに持つイメージが『割れるレコードと割れないレコードの二つ』に由来する。
わたしの子供の頃(昭和30年代)は、レコード盤は割れるものだった。小学校の高学年(昭和40年代初頭)になって、放送部でレコード盤を扱うようになって気づいたのが、レコード盤は割れなくなったことだ。そんな理由で、割れるレコード盤の時代=シェラック盤、割れないレコードの時代=ヴァイナル盤、と区分することにした。ここで云う「割れる」「割れない」は、盤を落としてもと言う意味である。
文句カードとは、今で云えば「歌詞カード」のことだ。2019年の春までは、この文句カードの存在を知らなかった。と言うのも、今まで手にしたシェラック盤には、一つとしてこの文句カードが付属していなかったからだ。2019年春、親戚から貰ったシェラック盤には、多数の文句カードが綴られた手帖様のものが含まれていた。 勿論、初見だった為、すぐにはその用途が理解できなかったが、色々調べてみてやっと「文句カード」との語に行き着いた。そして、文句カードとは歌詞カードのことだと判明したわけだ。
此れがまた面白いのである。歴史が詰まっているのである。内容も面白いのだ。日本文化の底流のようなものが読み取れる気がする。そんなわけで、追い追い紹介して行きたいと考えているわけだ。
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〝音斎処〟
◇ 岐阜県恵那市岩村町にある安田邸で、〝音斎処〟名義にて(株)エルプ製の光学式ターンテーブル『レーザーターンテーブル』を使って三月から十月の毎月一回第四土曜日にレコード・コンサートを開催しています。
◇ ここミューゼオでは、〝音斎処〟@安田邸に寄贈されたアナログ盤の中から、洗浄と盤のチェックが終わり、リスト化され段ボール箱に仕舞われている盤を、ほぼ箱単位で紹介しています。
◇ ここに紹介しているアイテムは、文句カード(紙資料)を除き、全てアナログ盤(ヴァイナル盤及びシェラック盤)です。CD、DVD等による出版音源は展示しておりません。
◇ 2023年より、紙資料として「取扱説明書とカタログ」を追加し、新たにコレクションルーム化としました。
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