コンプソグナトゥス : ジュラッシックパークの迷走

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ジュラッシクパーク2で名前が知られた小型肉食恐竜。ミクロラプトル等が発見されるまで世界最小の恐竜であった。
当然考古学ではあまり意味がない。新たな発見で簡単にひっくり返る。

この恐竜自体はフランスやドイツの中生代ジュラ紀の地層から発見された。ジュラシックパーク2で準主役的に扱われ、馴染みとなった『コンピ―』である。
もともとCompsognathusのCompsには『小さな』とか『かわいい』とか言う意味があって『顎』をあらわすgnatthusと合わせた『小さな顎』という意味合いを顕わしている。

ただ、この映画の原作ではプロコンプソグナトゥス『コンプソグナトゥス以前』という小型恐竜という設定であったが、このプロコンプソグナトゥスという恐竜は生物学的な意味のキメラとされ、いわゆる異質胴体であり、存在しないという定説が出来上がった。(だから僕も自分の発表した画像から削除した。当時の削除した想像図第3図参照=手元に残っている1999年の原画)

だから、映画ではわざわざ、ジュラ紀中期ではなく、三畳紀の個体として架空の小種名を持つコンプソグナトゥス(C. トリアシクス)として登場している。ジュラッシクパークが恐竜映画を新たなステージに引き上げるためにヴェロキラプトルは二作目以降はただのラプトルと呼んで曖昧な呼称にしたのと同様の映画ならではの原作、およびジュラッシクパーク1の目立たないわき役、ジュラッシックパーク2の準主役等の整合性を意図した対応策だろうね。
とはいっても、コンピ―はあの映画で有名になった。
そしてまだ、あの映画の頃はこの小さな爬虫類にも体毛はなかった。その後体毛の痕跡がシノサウロプテリクスあたりに発見されると生物学的な論拠が確立してきた。
かくして、二図のような姿になった。

1図 2図 ライセンス販売AdbiStock  Pixta

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