最初の一滴?

初版 2023/07/18 22:18

改訂 2023/07/19 11:14

                     写真は真ん中10歳になったヤン・シベリウス

ヤン・シベリウス/Vattendroppar (Water Drops)

              For violin ,violincello js216(1875)

僅か1分に満たない曲。一説にはこれが現存するシベリウスの最初の作品という人もいる。

1875年というと1865年生まれの彼が9歳の頃、日本でいうと小学生くらいの時の作品になる。

手稿譜が残っていないらしく、実際にはもっと後の作品かもしれない。作品番号は216だけれど、作曲年代表と比較すると室内楽でこれより古いものはない。1881年の曲はもうヴァイオリンのデュオで速度表記もある。少年の頃の作品は短い。JS番号も65。1887年のハ長調のアンダンテが40…どうも曲順の番号ではなさそうだ。彼の室内楽を全て網羅しているエディションの2巻目の第1曲にこの『水滴』が収められている。

たった24小節、ピチカートだけで語り尽くす。時間にして1分に満たない。。

それゆえに清冽にして峻烈。

深い森の中に、まだニンフがライズする前の斜めに朝陽が差し込む生まれたての細い小川がある。濡れた岩を包む這苔の間からこぼれる水滴。日の当たる場所に落ちるもの、日陰に重たく落ちるもの、冷えた空気にさえぎられ、苔の上に丸い水滴に森の風景を映すもの。

旋律を捨てたヴァイオリンの撥音とチェロの翳った撥音が純粋な無辜の目線で音化する。

まだ若いグレイリングは水滴の作る小さな波紋の下で羽虫たちが目覚めるのを待っている。

何故、ピアノでないの?ってだってシベリウスは作曲家になろうなんて思ってもみなかった。彼の望みはヴァイオリンのヴィルトゥオーゾだった。彼にとって幼いころから楽器はずっとヴァイオリンだったんです。

数年前、この曲を映像付きのYouTubeで探した時、まだたった一つしかなかった。今まだ探すと出てくるは出てくるわ。ヴァイオリンで実演する方、プロのヴァイオリニストがアンコールに演奏されるもの、いやいや、便利になったものです。結局ボクの持っている音源と同じアーティストのものを選びました。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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    woodstein

    2023/07/19 - 編集済み

     確かに手頃なアンコールピースという感じの曲ですね。

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      Mineosaurus

      2023/07/19

      適当な長さですからね。だけど、チェロのパートがないのね。モノフォニックで本来の情景が損なわれてしまうみたいです。

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