ブラームスの足元
初版 2024/11/13 07:04
ブラームス/ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 OP.1
作品番号は彼のドイツ・ロマン派音楽へのスタートラインを記念し、この作品以前に作曲されていたいくつかの作品を抑え、作品番号1番として出版された。
第1楽章アレグロの第1主題はベートーヴェンに敬意を払うかのように「ハンマークラヴィール」ソナタの最初のハンマーに似ている。
しかし、そこから流れて行く先には明らかにシューマンを意識した歌があり、それがブラームス特有の目の詰んだロマンティックな音楽の流れに入り込んでゆく。
若々しい抒情に満ちた美しさが爽快です。
第2楽章アンダンテ第3楽章アレグロ・モルト・エ・コン・フォーコは連続して演奏される。
第2楽章はハ短調のベートーヴェン的な内省の世界を持ちながら、「古いドイツのミンネリートによる」と題されているように民謡から取られた美しくのどかな旋律が不思議な融和を聴かせる。こういうのは得意なんだね。自分で流れるようなメロディを生み出すというのは苦手なのかもしれない。
とはいえ、最初に聴いたシューマンはこの作品にブラームスの才能の大きさに感銘を受けたに違いない。
第3楽章はスケルツォ。
彼のバラードなどで聴けるくすんだ色合いの音色が既に感じとれるベートーヴェン的な楽章。
ベートーヴェン的だというのは彼がもうすでに後期のベートーヴェンを通過した感性を持っているからでもあり、そこが彼の作品の緻密で描き込み過ぎるほどの慎重さをもたらした原因かもしれない。
第4楽章はアレグロ・コン・フォーコ。
時折休止するテンポの後のロマンティックなニュアンスはシューマンのよう。
作品全体は「ワルトシュタイン」ソナタの流れを想起させるが、ブラームス以外には溢れる楽想の奔流を纏めきれないだろう。
清新で、エネルギッシュで美しい。後期のベートーヴェンが若返って現れたかのような…
よく聴くのはグルダ・デムス・スコダ ウィーン三羽烏と言われた頃のスコダの演奏。
リヒテルのこのCDは2番を聴き比べるために買ったものだった、なのに2番はケンプでよく聴く。
リヒテルの演奏は凄いんだけど、何か答えが先にあるようで、曲の若々しさが聴こえてこないような気がする。昔はそうじゃなかったと自分では思っているのだけれど、年のせいかな……………
Mineosaurus
古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。
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