天才ガキんちょモーツアルト奮戦記

初版 2024/10/26 13:56

改訂 2024/10/27 06:16

弦楽五重奏曲第1番変ロ長調K.174

第1楽章 アレグロ・モデラート
第2楽章 アダージオ
第3楽章 メヌエット・マ・アレグレット
第4楽章 アレグロ

17歳の天才少年の負けん気は、できあがった作品に何度も手を加え磨きに磨いたのだろう。
重層的な弦楽の扱いはただ者ではない。

でもやはりこの作品は当時41歳の絶頂期のパパ、ハイドンの同種の曲から強いインスピレーションを受けている。
弦楽四重奏にセカンド・ヴィオラを加えた構成はよく練られていて、第1楽章は明るくチャーミングな推進力に充ちている。
さらに、アダージオのやや古風な歌とリリカルな弦楽の装飾にモーツアルトの若々しい自在さが眩しい。
ボクはこのジャンルのモーツアルトも好きなのですが、第4番の圧倒的な悲劇性に全てが染まってしまいそうなイメージを一番先に払拭してくれたのがこの第1番でした。

第2楽章(緩徐楽章)には後に聴かれるような個人的な哀しみの深い淵が覗くような部分はありませんが、のびやかな歌が微笑んだ同じ場所からふっと浮かび上がる短調部分の歌の素晴らしさは、とても17歳のガキんちょのものではないね。
この頃の彼は、まだ御父上と一緒の楽旅をしていた頃だと言われている。

第3楽章は楽しい語らいの曲。
各楽器の一番魅力的な音が次々に並んで聞こえてきて、当時の趣味人の好む音楽に仕上がっています
メヌエット、アレグレットと言うよりアンダンテで演奏する演奏家が多いような気がします。
速度は相対的なものですが、このほのぼのとした無邪気さを楽しめるといいですね。
楽器の特徴が凄くでています。

降りてきた音楽というより、緻密に構築した集中力の高さを感じます。鉛筆を舐めながら時に遠くを見る様に頭の中の音を追いかけて譜面に集中している17歳が目に浮かびます。

終楽章は各楽器に歌のように受け継がれる主題が次第に遁走を始め、活き活きとした大きい曲です。

スメタナSQとスークのヴィオラ参加で単体では第5番とカップリングでした。







古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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    レLEGOの日記

    2024/10/26 - 編集済み

    モーツァルトと聞くと「オレの尻をなめろ」を思い出す私はきっと下品な人間です😆

    一応「クソ喰らえ」とかと同じような意味らしいですけど、この曲を初めて知った時は大笑いでした🤣🤣🤣

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      Mineosaurus

      2024/10/26 - 編集済み

      Leck mich im Arsch 6声のための変ロ長調のカノンk231ですね。確か友人のパーティかなんかのための曲だとか聞いたことがあります。当時の文化人のあけすけな会話は猥雑であったと言うことですが、そんなものですよね。音楽がいわゆるムジツレーン(音楽する楽しみ)で生活の一部であったのは、今の演歌とかと変わりはないんですよね。最晩年の報われない時代の彼の作品はモーツアルトの天衣無縫のひらめきより、少しベートーヴェンの隣に座ってそのしかめっ面をちらちら見あげているような感じがします。でも、このカノンのまじめ腐った通俗性は所ジョージの世界に近い……………とぼくは思っております。

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      レLEGOの日記

      2024/10/26

      うーん、ということは人間は昔から猥談が好きってことかな?

      文明は進歩したけど、中身はなんも進歩してませんね🤣

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      kerberos-MG34

      2024/10/26

      人間も動物である以上は種を残す事が
      一番の使命であって、シモが原動力なのは
      昔もこれからも普遍なのでは🤣

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      Mineosaurus

      2024/10/27

      Kiss my assはアメリカではスラングですが、昔は『うるせえ!』とか『黙れ!』とかの印象語だったようです。子供のですけど。音楽以外は子供の脳を持った大人の典型であったと思われるモーツァルトはお上品な社会とコネを持って生活しなければならなかった音楽家という職業を持った立場だったのでいろんな逸話がありますね。
      ぼくもあんまり上品ではないので。( ´艸`)
      人間って特別に頭がデカくなった動物ですが、今の大人がやっていることは総じてKiss my assですね。ホント。

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