Person17 Max Reger 最高の継承

初版 2024/05/19 23:01

改訂 2024/05/19 23:01

J.S.バッハの主題による変奏曲とフーガOP.81

1904年の作品。

主題はバッハのカンタータ第128番『ただ キリストの昇天のみが』から取られており、14の性格変奏とフーガによって構成されている。

Theme, Andante

Variation 1, L'istesso tempo

Variation 2, Sempre espressivo ed assai legato

Variation 3, Grave assai

Variation 4, Vivace

Variation 5, Vivace

Variation 6, Allegro moderato

Variation 7, Adagio

Variation 8, Vivace

Variation 9, Grave e sempre molto espressivo

Variation 10, Poco vivace

Variation 11, Allegro agiato

Variation 12, Andante sostenuto

Variation 13, Vivace

Variation 14, Con moto

Fugue

主題となるカンタータが美しく、レーガーについてまわる晦渋という表現は当たらないように思う。

彼は自ら三大B(バッハ・ベートーヴェン・ブラームス)の後を継ぐ者としての自負を持っていた。

加えて彼は世紀末の作曲家であるが故のくすんだ色合いは隠せず、新古典からロマンティックな面も持ちあわせている。

写真(上の唇の厚いおじさん)を見てもわかるように、一目見には音楽家には見えない。

素顔のままシャイロック(シェイククスピア=ベニスの商人)の役ができそうな感じ。

自尊心と豪放な性格が窺える。

暴飲暴食の果てに病死している凄絶な人生。

玄人受けする芸術家であり、同時代の同じような立場にいたブゾーニとは親密な交流があったようだ。

弟子には20世紀初頭の大指揮者ジョージ・セルがいる。

プロコフィエフはこのレーガーの熱烈なシンパであった。

でも、この変奏曲とフーガは素人のボクが聴いても凄く美しいバランスの上に繊細さと豪快さが共存しているすばらしい作品に聞こえる。

誰にも似ていない。そこが大事だね。


オルガンの重層的な響きを主感じる部分はブルックナーを思わせるものがあるけれど、似ているところがあるわけではない。 

この変奏曲の詰まりも伸びもないキッチリとした構成感。

パトスとメランコリックぎりぎりの気品、痩せない曲想。

全楽句の流れの中にハッキリと嗅ぎ取ることのできるバッハの息づかいと寄り添いつつ覆い被さってゆく個性の厚さと熱さ。

間違いなく、この作曲家は変奏曲において、バッハ・ベートーヴェン・ブラームスに並び称されるべき偉容だと思う。

そして、フーガの出来もすばらしい。

ブラームスの巧みさとはまた違って、どちらかというとボクはベートーヴェンの開かれた外に向かった完結を聴いた。

対位法的手法に関しては寧ろベートーヴェンよりもバッハに近いバランスを感じる。

バッハから抜き取ったベートーヴェンを再び補完する力の大きさを十分に持っている。
渋いテーマだけれど、美しく靱い作品です。

今はかなりのピアニストがこの曲を演奏している。
ボクはルドルフ・ゼルキンのピアノやその息子のピーターの演奏を聴いた。
今かけているのは、ルドルフ・ゼルキンのものです。

彼は1985年にもSONYで録音していますが、この演奏は1978年のライヴレコーディングだそうです。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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