Person4-3 イザイ Lentoの糸

初版 2024/04/24 11:56

イザイ  子守歌op.20 ヴァイオリンとオーケストラ

意識の中にゆったりとした風紋を描くように
ヴァイオリンはそれ以上優しくなれないほどに、儚い歌をうたう。
無垢の眠りを妨げるものはそこには何もなく、眠りそのものに人生が削られ、生きていることの意味が目を見開いている時間に狭められ、漉されてゆく。

瞼を閉じている間に時間は過ぎ
老いはそこを飛び越えて細い夢の糸を切る。


オーケストラはヴァイオリンが辿った道を同じ重さで辿って行き
息を殺してゆりかごの側を通り過ぎる。


それでも人は目覚める。
美しくても、優しくても、儚くても音は知覚され
瞼の裏に熱い光を感じるようにその人の心を奮わせ
沈んでいた意識の澱を舞い上げる。


乳呑み児の色をした澱は死の静謐に堆積するまで塵のように浮遊し続ける。


眠っている間に老いて行くことを無意味と感じるほどに純粋な最初の眠り。
円かで滑らかな寝息が、世界の命の匂いを嗅ぐ最初の目覚め。
その新鮮がいつの間にか苦い痛みに代わるのはそんなに遠いことではない。
奏でられるレントの流れは一度も荒ぶることもなく安らかな息づかいの中で、ゆっくりと繭を紡いでゆく。


目覚めたばかりのその子のためにもう一度。

マリア・ドゥエニャス. 新進気鋭のヴァイオリニストBeethoven and Beyond というタイトルが気に入った。2021年メニューイン国際ヴァイオリンコンテストの優勝者。ヴェートーヴェンは切れのいい若々しい演奏だったし、何よりこのイザイはすぅばらしい。フレージングの柔軟性と短い曲に思いが詰まり過ぎたこの作品に過度にのめり込まずに詩的な想像力を広げさせてくれる。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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