ただのレント
初版 2023/09/18 13:52
改訂 2023/09/18 13:52
ヤン・シベリウス作曲
レント 変ホ短調 JS76 (1887~1888)
ただのレント
わずか2分に満たない物語。
シベリウスが生涯に残した室内楽は膨大な数に上る。
というより、作品番号がなくとも、破棄するに忍びない彼の音楽を愛して已まない人々が、シベリウスの生涯にわたる時間を発掘しているかのようだ。
でも、そこで愛されてきた作品達の短くもなんと雄弁でヒューマンな世界であることか!
彼は晩年脂っ気が抜けて隠遁生活にはいるまでは、放蕩と深酒に常に破産状態のような日々を送っていた。
経済的な荒廃と反比例するかのように彼の創作意欲は横溢し、音楽は生活の乱れに没することはなく、清澄な大気そのもののように飛翔する。
この短い音楽も一気に書き下ろされ、無駄がない。
チェロの低い呟きにピアノが目に見えぬ本心をうながすように同じトーンで語りかける。
導かれたチェロの一言は低いところから嗚咽のように数瞬パトスを趨らせる
短くても強く心に残る音楽。
もしかしたらもっと長い作品になる予定であったのかも知れないけれど、残された今の形はそれ以上の飾りを拒んでひっそりとシベリウスの夕闇に膝を抱えている。
この短い音楽は、第1巻、第2巻、CDにして10枚に及ぶシベリウスの室内楽の今確認されているおそらくすべての作品が紹介されているCDの第2巻の一枚目に収録されている。
CDをアイテムで紹介する前にその中から今のところ1875年のWater Dropshttps://muuseo.com/Mineosaurus/diaries/43
とこの2曲だけになる。
Mineosaurus
古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。
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