もと理科少年が小林健二さんの個展へ
初版 2022/04/17 16:49
改訂 2022/04/17 17:04
小林健二さんの個展へ。心の中に理科少年がいる人なら心ひかれるはず。
少年心がくすぐられる、ワクワクするものがたくさん。
小林さんプロデュースによる人工鉱物の作成キットから作られた鉱物。これはブラックライトで蛍光。
星にインスピレーションされた絵画やオブジェなど。
小林さんのサイト『銀河通信社』でもおなじみの鉱石ラジオもありました。
ただ、今回の個展で1番の目的は『土星観測所』。
レトロフューチャー感が、鴨沢裕二さんの『クシー君シリーズ』に出てきそうで。足穂のオマージュ満載の作品です。
参考として、青林堂の『クシー君の発明』と『クシー君のピカビアな夜』より。
主人公の少年、クシー君が「さあ、土星観測所に行こうじゃないか」とでも言いそう。
この『土星観測所』非常に精巧に作られており。近づくと明かりが点灯。土星の輪の形が変わっていきます。
エントランスをのぞきこむとソファが。
チケット売り場も椅子の後ろに本棚があり、係の方が働く様子が想像できます。
何より、外から見える売店。天文の雑貨が所せましと置いてある。通りを通った理科少年が目を輝かせてウインドウをのぞきこむのでは(実際にやったのは私自身)。
屋上に通じる階段もちゃんとあって、自分がこうのぼって移動する、と想像が膨らみます。
脇のライトに照らされた、キネマ(足穂らしく、あえて)のポスターらしきものもいい雰囲気を出しています。
Instagramに投稿した動画だと、より没入可能。
https://www.instagram.com/p/CccUWCULdRa/?igshid=YmMyMTA2M2Y=
すっかり物語やジオラマの世界に入り込んでしまいました。久しぶりの心地よい「ダイブ」感。
子どものときに持っていた好奇心や好きという気持ちが湧き上がるのを感じました。
この個展スペースの一部にもほかの
作家さんのありましたが、奥にはもっとたくさんあり。
階段をのぼった右手にある部屋は(写真の階段のぼって右)、ここも小林さんの作品の展示室になっていました。
右手におもにオブジェ、左手におもに絵画。
電球の作品はスチームパンクぽさあり。手書き文字はダ・ヴィンチのノートっぽい雰囲気。
稲垣足穂、宮沢賢治、長野まゆみの『天体議会』などが好きな人なら好みの世界観だと思う。
会場で桑原弘明さんの『scope』を言及されてた方もいたが、装置+ノスタルジックさがそうさせるのかも。
https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/diaries/8
個人的には、内林武史さんの方が共通する世界観に思えます。
会場の『okeba』は湘南で唯一の酒造、熊澤酒造の敷地内。
創業当時、酒樽や道具の修理製作を行う工房だった桶場と呼ばれた倉庫を改修したお店とのこと。
熊澤酒造には、お酒作りの設備を見学したり、レストランやパン屋さんがあったり、地ビールを飲めたりといろいろ楽しめます。
酒造の25周年記念という、ドイツビールの「ヘレス」。苦いのが得意ではないため、定番はフルーティなヴァイツェンなのですが、これも苦味控えめで香ばしい香りと旨味が強く、好みでした。
金井一郎さんの『夜更けのスイッチ』みたいな照明も。こういう昭和レトロが好きな方も楽しめるでしょう。
https://muuseo.com/Mayu_I_ofugutan/diaries/9
往復3時間のちょっとした旅だったけど、行ってよかったです。
#思い出 #小林健二 #鴨沢祐二 #金井一郎 #内林武史 #稲垣足穂 #宮沢賢治 #長野まゆみ #鉱物bar
ofugutan
自然科学オタクな星のソムリエによる、蒐集歴10年以上の博物コレクション。現代版の「驚異の部屋」を目指しています。天文・理科もの、鉱物、英国アンティーク多めです。
https://www.instagram.com/ofugutan
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