HEXANON AR 57mm F1.2のトラブル
初版 2022/11/20 16:02
改訂 2022/11/20 16:20
Konicaの大口径標準レンズであるHexanon AR 57mm F1.2を入手したものの無限遠がまったくでず,どうにもこうにも使えない状態でした。
そこで某マエストロにメンテナンスを依頼してオーバーホールをしていただきました。その結果,衝撃の事実が判明しました。なんと,6群7枚のレンズ構成のうち,第5群と第6群のレンズが入れ替わって格納されていたことが無限遠がでない原因だったのです。
この個体はヤフオクで調達したものですが,出品者は気がついていて知らないふりをしていたのか,それともただ何も考えずに転売しただけなのか,よくわかりませんが,ヤフオクで調達するときは気をつけねばならない,ということを改めて認識した次第です。もっとも第5群と第6群が入れ替わっていることを知る術はないので,何をどのように気をつけたらよいのか,まったくわかりません。
自分ではトリウムレンズのブラウニングはそれほど進行していない,あるいはあわよくばトリウムが含有されていないバージョンか,と思っていましたが,ちゃんと重症でした。メンテナンスの際にUV光の照射で改善してもらったのでかなりブラウニングは改善し,ほぼ透明になりました。そうすると,それまであまり目立たなかった前玉表面側のコーティングの劣化が顕在化して,曇っていることが明確にわかる,というちょっと残念なことになりました。ほかにもいろいろと問題を抱えている個体で,満身創痍な状態でした。それでもコーティングの劣化によるクモリ以外は完璧にメンテナンスしていただいたので気持ちよく使えるようになりました。
当然ですが無限遠もちゃんとでます。
逆光では当然として,順光でも気をつけないとコントラストが低下してゴーストがガンガン入ってきます。でも,古いレンズを使うときはおおらかな気持ちで付き合うのが幸せの第一歩です。
メンテナンス後の作例はこちらの「その5」以降のものです。「その4」までは無限遠が出ない状態,つまり第5群と第6群が入れ替わった状態で撮ったカットです。また,メンテナンスの経緯は「その5」にもう少し詳しく書いてみました。
MOR
カメラ道楽とオーディオ道楽の間を行ったり来たりしています。両方をいっぺんにやると破綻するのは目に見えているので,同時進行はしないことにしています。
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