球体関節人形  四谷シモン   人形館 淡翁荘

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四谷シモンは1944年東京・五反田生まれ。

タンゴの楽師である父、ダンサーの母という芸能一家で育ち、
小学生の頃から人形をつくり始める。

著名な人形作家の元で技術を磨き乍らも、
当時の布をまとった小さな彫刻のような人形に疑問を抱き、
常に「人形とは何か」を模索していた。

65年、雑誌『新婦人』に掲載されていた、澁澤龍彦の紹介によるハンス・ベルメールの球体関節人形を見て衝撃を受け、
それまでの人形制作方法を捨てる。

人形とは「人のかたち」であり関節で動くもの、人形とは人形そのものであると悟り、
以後、独学で球体関節人形の制作を始め、新しい人形表現の地平を切り拓いた。

前掲の金子國義同様、澁澤龍彦から強い影響を受けたアーチストである。

歌手のニーナ・シモンが好きだったことから「シモン」の渾名がつく。

67年、唐十郎の状況劇場の『ジョン・シルバー新宿恋しや夜鳴篇』に女形として出演。
68年、状況劇場の紅テントの芝居『由井正雪』に「的場のお銀」役で出演する。
この時から「四谷シモン」の芸名を使う。
71年まで状況劇場の役者として活動。

現在は日本における球体関節人形の第一人者として、
国内のみならず海外からも高い評価を得ている。

自身が「今まででいちばんいい顔」とする「機械仕掛けの少年 2」(5番目の画像)
標本箱のようなケースに金具で留め付けた見せ方が独特。

2014年 西宮市大谷記念美術館で SIMON DOLL展が催されました

現在、坂出市 人形館 淡翁荘で SIMON DOLL が常設展示されています。

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