鎌田 敏夫 「うしろのしょうめんだあれ」

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長い黒髪をぬらし、汚れた着物姿で山道を歩いていた私を一人の警官が助けてくれた。
私の名前は小夜子。
それ以外の記憶はない。
私はなにものかに導かれて新宿にたどり着いたが、そこには山梨で私を助けてくれた警官がいて、私にこう告げた。
「君は死んだ人間なんだ。人の後ろに立つと、その人間の恨みの中にきみの恨みが入ってしまう」とー。
人間の心の闇を描き出す長編ホラーの傑作。

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